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『中華人民共和国環境保護税法(意見聴取稿)』 に関する説明

党の第18期三中全会に提出された環境保護費用の税改正要求に基づき、省エネ・省資源、生態環境保護の産業構造、発展モデルと消費スタイルを推進・形成し、経済発展パターンの転換を加速させるため、財政部、税務総局、環境保護部は、各方面からの意見を検討し、取り入れたうえ、『中華人民共和国環境保護税法(意見聴取稿)』(以下、「意見聴取稿」という)を起草した。意見聴取稿の主な内容は、以下のとおりとなる。

(1)納税者について。2015年1月1日より施行されている新環境保護法の規定により、汚染物質排出料の納付者は、汚染物質を排出する企業・事業者及びその他の生産経営者とされる。汚染物質排出料の関連規定とリンクさせ、意見聴取稿では、環境保護税の納税者を、中華人民共和国国内及び管轄するその他海域において、直接環境に対し、課税対象となる汚染物質を排出した企業・事業者及びその他の生産経営者とする。

(2)税額について。意見聴取稿が規定する税額の基準と、現行の汚染物質排出料の徴収基準は、基本的に一致するものである。省級人民政府は、当地区における環境負荷許容能力、汚染物質排出の現状と経済社会生態の発展目標を考慮し、規定の税額基準上で汚染物質の適用税額を適切に引き上げ、国務院へ届出、記録にとどめる。『大気汚染防除行動計画』『省エネ・排出削減「125」計画』、新環境保護法等の要求の実施のため、企業による汚染物質排出の減少を促し、意見聴取稿では、基準、汚染物質総排出を超えたものについては、環境保護税を二倍とする。環境保護税法の規定に基づき、環境保護税を徴収する場合、改めて汚染物質排出料は徴収しない。

(3)課税対象と課税範囲について。環境保護税の課税対象は、大気汚染物質、水質汚染物質、固形廃棄物及び騒音の4種類に分けられ、具体的な税目は、税目税額表の規定に基づき執行する。大気汚染物質、水質汚染物質の課税範囲については、排出口1個毎の汚染物質の種類数について、汚染量数を大きいものから小さいものへ順番に並べ、最多でも3種を超えない(重金属汚染物質は5種類)。省級人民政府は本地区における汚染物質排出削減に関する特別な要求に基づき、同一の排出口に対する環境保護税の課税対象とされる汚染物質の種類を追加することができる。

(4)優遇税制について。意見聴取稿は、農業生産(大規模養殖を含まない)によって排出された課税対象となる汚染物質、自動車、鉄道列車、ノンロード移動機械、船舶及び航空機等の移動汚染源が排出した課税対象となる汚染物質、都市・鎮汚水処理場、都市・鎮生活ゴミ処理場が排出した環境汚染物質について、国が規定する排出基準を下回る場合、環境保護税を免除する。納税者が排出する課税対象となる大気汚染物質及び水質汚染物質が排出基準の50%以上且つ汚染物質排出総量規制の基準を超えないレベルを下回る場合、省級人民政府は一定の期限内に徴収する環境保護税を半減する旨の決定ができる。

(5)徴収管理について。「企業の申告、税務の徴収、環境保護への協力、情報の共有」との徴収管理モデルに従い、意見聴取稿では、次の通り規定している。納税者は税務機関に納税申告し、申告の真実性及び合法性について責任を負う。重点的な監督規制をされる(汚染物質排出)納税者及び重点的に監督規制(汚染物質排出)されない納税者の分類管理を行う。税務機関は納税者の申告したデータが明らかに真実ではなく、納税逃避行為などがあったことを発見した場合、環境保護機関に対し納税者の汚染物質排出状況について審査を要請することができる。環境保護機関と税務機関は関連情報共有システムを構築する。

作成日:2015年06月30日