最新法律動向

青島の労働規定 試用期間を設定できない6つのケース

労働契約期間が満了して更新をする際に、試用期間を設定してはならない。使用者が労働契約の解除を決め、労働者が労務の提供を継続しない場合には、労働契約の解除とみなす。青島市人力資源社会保障局は、『労働関係の規定に関する問題についての意見』(以下「意見」という。)を公布し、3月1日から施行する。『意見』では、三種類、16のケースについて試用期間を設定できないことを明確かつ具体的に規定する。
試用期間を設定できない6つのケース
試用期間とは、使用者と労働者が相互に理解・考察する時期を労働契約により約定するものである。どのようなケースでは試用期間を約定できないのか。使用者が試用期間を濫用し、労働者の権利を侵害することを防ぐため、『労働契約法』第19条第2項は、同一の労使間において、試用期間は一度のみの約定とすることが定められている。
 関連する法律・法規があるとはいえ、実施を徹底するうえでは様々な問題に直面する。例えば、労働契約の期間が満了し、更新をする際に再度試用期間を約定することができるか否か、労働契約の履行期間中に労働者の職位を異動した場合に再度試用期間を約定することができるか否か等である。これについて、青島市は意見の中で、よく見られる6つのケースを次のようにまとめた。①労働契約の更新②労働者の病気又は労災以外による医療期間が満了し、使用者が手配する別の業務に従事する場合③労働契約の履行期間中に労働者の職位を異動する場合④使用者が同一の労働者を招聘し、前回の招聘時に双方が約定した試用期間が履行されているか一部履行されている場合⑤使用者が軍隊転業幹部、指令により配置された復員又は退役軍人及び軍隊転業幹部に随伴する家族等の政策的配置人員と初めて労働契約を締結する場合⑥法律・法規所定の他のケース。
固定期間のない労働契約について明確化
 労働契約期間の短期化問題を解決し、労働者の就業の安定を促進するため、『労働契約法』第14条第2項は、労働者が同一の使用者のために連続して勤務する期間が満10年である場合、固定期間のある労働契約を連続して二回締結する場合等の三つのケースについて、使用者が固定期間のない労働契約を締結する義務を規定する。『労働契約法』実施後、一部の使用者は当該規定を自らが自主的に労働者を使用する権利を制限するものであると認識し、勤続年数の中断、労働契約期間満了後の自動延長の約定等様々な手段によりこれを逃れた。
これに対し、意見は三つの面で固定期間のない労働契約について明確化した。まず、使用者と労働者が労働契約満了後の自動延長を約定する場合には、労働契約を再度締結するものとみなすこと。次に、労働契約に生ずる法定の継続・延長事由が滅失した際に、固定期間のない労働契約の締結に適合する場合には、使用者は固定期間のない労働契約を締結しなければならないこと。そして、『労働契約法』施行後に労働者が使用者と固定期間のある労働契約を連続して二回締結し、『労働契約法』第39条、第40条第1項、第2項所定の事由がない場合には、二回目の労働契約の期間満了時に使用者は一方的労働契約を終了してはならない。ただし、労働者が労働契約の終了を提示するか、契約終了に同意した場合を除く。
労働契約の解除について明確に規定
『労働契約法』第10条第1項は、労働関係の成立のために、書面による労働契約を締結しなければならないことを規定している。また、労働契約の解除についても書面による意思表示を基準としなければならない。ただし、実践において、一部の使用者は労働契約を解除する際に、書面により労働者に通知せず、労働契約報告書の解除、保険停止手続又は档案移転手続等の行為により代替することがあり、労働契約が解除されたか否か、いつ解除が認定されたかの判断を困難にしている。
これについて、意見では労働紛争の処理において蓄積された統一的見解を反映し、次に掲げる事由のいずれかがある場合には、使用者と労働者の労働契約を解除することを規定した。使用者が労働契約の解除を決め、労働者が継続して労務を提供しない場合。使用者が労働契約報告書の解除を言い渡し、労働者が引き続き労務を提供しない場合。使用者が労働者のために保険停止手続又は档案移転手続をし、労働者が引き続き労務を提供しない場合。
意見は更に、労働契約の発効日、賃金を倍支払う期間、労働報酬の約定、労働契約中止事由の消滅後いかに履行を回復するか等の問題につき明確に規定する。意見は、3月1日より施行され、有効期限は2020年2月29日迄である。これに伴い従前の『労働関係の処理に関する問題についての青島市労働及び社会保障局の通知』は同時に廃止される。
(斉魯晩報より)

作成日:2015年03月09日