最新法律動向

電信事業者は、携帯電話ウイルス対策を講じよ

「×××(携帯ユーザーの氏名)さん、これを見て下さい。ht://********XXshenqi.apk」もし、このようなウイルスを含むショートメールを受け取ったら、けしてクリックしてダウンロードしてはならない。もしクリックしてしまうと、その携帯電話から自動的にグループ送信され、より多くのユーザーがグループ送信の計略にかかってしまうことになる。(8月3日『北京青年報』)

専門技術の観点から述べると、この事件は携帯電話のユーザーにIT技術に関する知識を与えることになった。ウイルスショートメールのリンクはCDNで始まり、末尾がAPKで終わる。携帯アプリに詳しい専門家なら、このリンクが安全ではないアプリのダウンロードであることを一目で見分けることができるだろう。しかし、スマホのユーザーが全て技術通という訳ではない。これは、ユーザーの判断力のみに頼るわけにはいかないことである。中国電子情報産業発展研究院は、2013年から2015年が中国のスマホの買い替えのピークとなり、この3年の累計販売額は2万億元に達し、中国のスマートフォンの市場販売量は引き続き高度成長を続けると予測している。こうした背景において、携帯ウィルスを予防することは、システマチックでパブリックな議題となるべきであろう。

パンダが線香を焚くコンピュータウイルスから、ショートメールをグループ送信する携帯電話ウイルスまで、技術の世界では話題に事欠くことはなかった。法律は、当然悪事を働き法律に触れる者を厳しく取り締まるべきである。しかし、電信事業者も、「ウイルス対策」の義務から脱がれるべきではないだろう。その道理は、けして複雑ではない。銀行が電信詐欺に対して、窓口にて振替と振込の管理をする責任があるのと同様に、電信事業者にも携帯電話ウイルスの防止の責任と義務がある。

内容の同じ携帯電話ウイルスに対して、理論的に電信事業者は2つの事ができる。一つは技術的にウイルスショートメールを遮断することである。ウイルスのショートメールに同じリンクが貼ってあるのだから、電信事業者は1つか複数の「キーワード」を設定しさえすれば、ユーザーのショートメール代がウィルスメールに吸い取られてしまうことはなくなる。ウイルスが蔓延しているのであるから、電信事業者にとって最も簡単な方法はユーザーへ警告のショートメールを送信することである。これがコストが最も安価で、効果の最も高い方法である。しかし、どの電信事業者も、この2点において何らかのアクションを起こした気配がない。これは様々な憶測を呼ばざるを得ない。電信事業者の消極的な反応は、ウィルスショートメールが発症した後、漁夫の利を得るためなのだろうか。何と言っても、ユーザーがウィルスに感染したら、最大の「受益者」は電信事業者なのだから。

ウィルスメールの整理について、積極的な電信事業者は多くはなかった。携帯電話ウィルスの警鐘が鳴る今、「企業の社会的責任」は、甘美な夢で終わってしまうのだろうか。この問題について、業界の監督管理者も黙っていてはならない筈である。

(華声オンラインより)

作成日:2014年09月16日