連帯保証について
Q1:当社は、日系企業です。中国の地元企業A社から電子部品を仕入れようとしています。初めての取引のため、A社に担保の提供を求めています。A社は、関連会社のB社が当社に連帯保証人となることに同意しました。この場合、中国法に基づけば連帯保証契約を締結するほか、何に注意すれば良いのでしょうか。
A1:『会社法』第16条には、「会社が他の企業に対し投資するか、他人のため担保を提供する場合、会社定款の規定により、董事会又は株主会若しくは株主総会が決議する。」と規定されています。そのため、B社が貴社の連帯保証人となる場合、B社へ定款に基づいて董事会決議又は株主会決議を提供するよう求めることをお勧めいたします。董事会決議か株主会決議のどちらを提供して貰うかについては、B社の定款の中のB社の董事会及び株主会の規定に従う必要がございます。
Q2:ご教授いただきたいのですが、連帯保証に対する董事会決議が無いと、連帯保証契約は有効では無いのでしょうか?
A2:保証人から董事会決議(又は株主会決議)を得ていない場合、連帯保証契約が無効になるか否かにつきましては、司法の実務において、論争が存在しております。弊所としての見解は、上記『会社法』第16条に定められている通り、対外的に担保を提供する時には、董事会又は株主会が決議するという規定は、担保提供側の一方的な行為を束縛するための規定に該当すると考えております。連帯保証契約を無効とする他の状況が存在しない場合は、連帯保証人となった会社による董事会決議(又は株主会決議)が存在しなくても、連帯保証契約の効力には影響を及ぼさないものと思われます。しかしながら、次の2つの要素を考慮し、慎重を期して、貴社におかれましてはB社の董事会決議(又は株主会決議)を得ることをお勧めいたします。
(1)董事会決議(又は株主会決議)を得ることができた場合、B社が貴社の連帯保証人となることについて、B社の社内で慎重に検討され、当該会社内部のコンプライアンス上の要求に合致することを説明するものとなります。このため将来、貴社からB社へ連帯保証義務を求めることになった場合にも争いが少なくて済むのではないかと思量いたします。
(2)上述のように、董事会決議(又は株主会決議)を得ていない場合、連帯保証契約が無効になるか否かにつきましては、司法の実務において、実際論争が存在しております。そのため、董事会決議(又は株主会決議)を得たほうが安全ではないかと存じます。
作成日:2014年08月20日