北京市第一中級人民法院「瑕疵を知りながら購入」事件で初めて二審が原判決を維持、消費者からの10倍の賠償要求を支持
先日、北京市第一中級人民法院は、沈氏と永輝商業公司・永輝馬家堡分公司との間の製品責任紛争にかかる上訴案に対する判決を行った。最終的に裁判所側は、永輝商業公司からの上訴を却下し、一審の当該会社へ10倍の賠償を命ずる判決を維持した。
沈氏は、2012年12月3日に永輝馬家堡支店より「燕京」ブランドの10度小精品ビール15本と「聖寿」ブランドの郷里ラー油5本を購入した。ビールの生産日は2011年12月6日で、品質保証期間は360日だった。ラー油の生産日は2011年11月7日で、品質保証期間は12ヶ月だった。製品は、いずれも品質保証期間切れだった。沈氏は、期限切商品を販売したことに対して被告に訴訟を提起した。一審判決で被告は『食品安全法』の規定に基づき10倍の賠償を言い渡された。永輝商業公司は、これを不服として上訴した。そして次の理由をあげた。「沈氏は普通の消費者ではなく、一年近くの損害賠償、苦情申立、訴訟等を続けた状況からみて、その行為は職業行為に該当する。また、沈氏は上記の商品を購入する際、商品が品質保証期間にあったかどうかを知っていた筈であり、沈氏が品質保証期間切れの商品を購入したとしても、それは真実の意思表示であるため、売買契約は合法的に成立している。このため、返品には同意できない。沈氏は、今回の訴訟にかかる商品を重複して購入し、期限切れしていない商品と期限切れ商品をすり替えて訴訟を行った可能性がある。故に二審の裁判所へ沈氏の訴訟請求を却下するよう請求する。」
二審の裁判所は、審理の結果、次の判決を下した。「沈氏は、永輝馬家堡分公司の経営するスーパーマーケットにおいて正常に販売されている食品を購入し、相応の対価を支払っているため、消費者と認定することができ、法に基づいて相応する権利を行使する権利を持つ。『食品薬品紛争案件に法律を適用することに関する若干の問題についての最高人民法院の規定』第3条には、「食品、薬品の品質問題で紛争が発生し、購入者から生産者、販売者に権利を主張された場合、生産者と販売者が購入者は食品や薬品に品質問題があると知りながら購入したことを理由に抗弁する場合、人民法院は支持しない。」と規定されている。したがって、永輝商業公司の抗弁理由は法と矛盾するため、支持されてはならない。また、永輝商業公司からの「沈氏は、今回の訴訟にかかる商品を重複して購入し、期限切れしていない商品と期限切れ商品をすり替えて訴訟を行った可能性がある。」という抗弁理由については、相応する証拠を提出し証明していないため、裁判所としては信じて採用しない。」
( 人民日報より)
作成日:2014年08月08日