自貿区「ネガティブリスト」を参考に、区・県において外資参入の審査権限を拡大
静安区へ初めて窓口を試験的に設置、「ワンストップ受理」を10月より上海全市で
2014年度版「ネガティブリスト」が発表され、上海市の外国人投資家による投資への管理体制の改革は新たな段階を迎えた。上海市商務委員会は、静安区で初めての外国人投資家による企業の「ワンストップ受理」窓口を設置した。これは、上海市が全面的に自由貿易試験区(以下「自貿区」という。)の「ネガティブリスト」管理モデルを参考に、外資の参入管理を「実質的な審査」から「申告+形式審査」に移行する。そして、外国人投資家による投資の監査を「事前審査」から「審査後の監督管理」を重視する方向へ移行したことを示している。
上海市商務委員会尚玉英主任は、中国の「外資三法」はまだ改訂されておらず、外資の参入管理は依然として主に審査制が基準とされている下で、上海市が積極的に自貿区の「ネガティブリスト」の管理モデルを参考にする狙いは、審査の流れをよりスムーズなものとし、審査期間を短縮し、審査の透明度を高め、経営・商業環境をより国際化、法治化させ、外国人投資家による投資の利便性を向上させることにあると述べた。
今回の改革の最大の目玉は、これまでの外資系企業1社に対して1審査、1案件に対して1審査という制度を改め、「ネガティブリスト」以外の外資系企業に対しては、「申告+形式審査」という管理モデルを実施することにある。その具体的な措置は奨励類、許可類の外国人投資項目に対し、区・県の審査権限を3億ドル以下まで拡大する。同時に、外資系のフランチャイズで、店舗面積が3,000平方メートル以下の外資系企業の審査権限を区・県まで委譲することである。審査手続きの簡潔化という点では、異なる業界、異なる事業の投資者の資格要件、企業設立条件及び審査要求をインターネット上に公開し、告知書を配布する方法を通じて、投資家へ明確に通知し、不明確な条項を設けないこととした。投資家は上海市の外資系企業申請用インターネットシステムに定形化された申請情報を入力し、システムが自動的に契約・定款申請書を作成し、投資家が自ら承認するようにする。また、上海市商務委員会は、一般の外資系企業の設立において提出が必要な申請書類を11項目から5項目に減らし、55%もの大幅削減を行うとした。
新たな管理モデルの実施は、外資系企業の上海への進出の利便性を更に向上させることになる。今後、審査担当者はインターネット上で申請書類を予備審査し、問題を発見した場合は、直ちに投資家へ修正を指導する。予備審査を通過すれば、投資家は申請書類を窓口に提出することができ、申請のために何度も書類を窓口に出向く事態を避けることができ、一回の書類提出で証書の取得ができるようになる。審査プロセスも、現在の「担当者による手続き、内部審査、商務委員会の責任者による許可」という三段階から「担当者による手続き、内部審査」という二段階へ変更となる。新たな管理モデルが実施された後、外資系企業の設立及び変更項目の審査期間は、これまでの8業務日から4業務日以内へ短縮され、平均で50%以上スピードアップとなる。外資系企業の名称変更、登録所在地の変更、投資側の名称変更、契約・定款の一般条項の変更、外資系国際運輸代理企業及び外資系企業による支社設立等の業務は、窓口で即日完了するようになる。
上海市商務委員会は、静安区にて外国人投資家の投資管理体制を改革することにより、更に業務プランを整備してゆき、今年10月1日には上海市全市の範囲に改革を広めることを目指す。
(解放日報より)
作成日:2014年08月01日