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遼寧省巨額虚偽増値税専用インボイス事件、一審で主犯に無期懲役判決

事件に係る金額が3,1億元に上り、国に経済的な損失4,000万元を与えた遼寧省鉄嶺市の巨額虚偽増値税専用インボイス事件について判決が下された。杜寧を主犯格とする被告人5名は、虚偽の增值税専用インボイス発行罪を構成すると断罪され、鉄嶺市中級人民法院は、主犯の杜寧を無期懲役とする一審判決を下した。他の4名には、8年から3年の懲役、3年から5年の執行猶予がそれぞれ言い渡された。

裁判所の審理によれば、2011年10月、当時34歳だった杜寧は、鉄嶺市に属する昌図県十八家子郷に鉱産物貿易会社を設立し、自らが法定代表者に就任した。同年12月、昌図県此路鎮にも石炭販売株式会社を設立し、別人を形だけの法定代表者とした。2012年3月、杜寧はこの2社の名義で被告人靳会、李征、柳平聚、劉剛を通じて他者のために虚偽の増値税専用インボイス(以下「虚偽のインボイス」)を発行し、また他者から自らのために虚偽のインボイスの発行を受けた。その合計金額は3.1億元、税金額は5,306万元であり、国に経済的な損失4,000万元を与えた。

この間、靳会の口利きで発行した虚偽のインボイスは120枚、金額は1.1億元、税金額は1,890万元であり、国に経済的な損失1,890万元を与えた。李征、柳平聚、劉剛も巨額または多額の虚偽のインボイス発行の口利きを行い、虚偽のインボイス受け取り行為を行った。被告人5名の虚偽のインボイス発行に関わった企業は山東省、黒龍江省、河南省、天津市、河北省、江蘇省等6つの省と市の数十社に及んだ。

裁判所は、次のように判断した。杜寧は、虚偽のインボイス発行によって違法な利益を得ることを目的として2社を設立し、商品販売を行わない状況で他者のため、または他者から自らのために虚偽のインボイスを発行し、その発行税額は巨額なものとなった。靳会と李征の口利きによる虚偽のインボイス発行、劉剛の口利きによる虚偽のインボイス発行税額はそれぞれ巨額、多額となった。柳平聚は虚偽のインボイスを発行し、発行税額は巨額なものとなった。被告人5名の行為は、いずれも虚偽のインボイス発行罪を構成すると断罪された。共犯のうち、杜寧が主な役割を演じた主犯であるため、その関わった全ての犯罪に対して処罰を受けるべきである。他の4名は共犯者であり、情状の斟酌して、処分を軽減する。

このため、鉄嶺市中級人民法院は、杜寧に無期懲役、政治的な権利を永久に剥奪するという判決を下し、且つ個人の全ての財産を没収する処分を併科した。靳会には懲役8年、且つ罰金50万元、李征には懲役3年、執行猶予5年の判決を下し、且つ罰金50万元、柳平聚には懲役3年、執行猶予4年の判決を下し、且つ罰金45万元、劉剛には懲役3年、執行猶予3年の判決を下し、且つ罰金45万元を併科した。被告人の犯罪による所得に対しては引き続き追徴金を科すものとした。

(新華ネットより)

作成日:2014年05月09日