最新法律動向

音楽ダウンロードでも料金支払いへ

 4月26日は「世界知的財産権の日」。前日の25日午前、中国国務院新聞弁公室が主催した2012年度中国知的財産権の発展状況発表会上にて、国家版権局の閻暁宏副局長は「ウェブサイトから音楽をダウンロードする場合にも料金を支払うべきだ。」という考えを明確に示した。

 去年、『著作権法』の3回目の改正が各界から幅広い注目を集め、ウェブサイト上の著作権設定問題を中心に議論が巻き起こった。ウェブサイトから音楽をダウンロードする際に課金されるという噂に対し、閻副局長は、「それは当然のことだ。ウェブ環境において音源コンテンツ提供者とダウンロードサービス運営業者が互いに話し合い、決定すべき問題だと思う。」と明確に回答した。また、同副局長は次の通り説明を加えた。「ダウンロードサービス運営業者がダウンロードを無料とすることもできるが、その前提は、権利取得の際、事前に許可を得る必要があり、許可を得るには料金の支払いが必要となる。つまり音源の権利者に代金を支払わなければならない。権利者に代金を支払い、権利を取得した後に、ダウンロードサービス運営業者は、①使用者から料金を取らないが、広告收入またはその他の收入によりダウンロードサービス運営業者のコストを補う、②使用者から料金を取る、の2つの方法を採用することができることとなる。」

 今回の発表会上では、国家知的財産権局の田力普局長も一連のデータを紹介し、「中国の知的財産権の保護は絶えず発展してきており、中国は知的財産権の侵害が最も著しい国ではない。海外メディアによる中国の知的財産権の置かれた状況に対する譴責と、長年貼られたままの「レッテル」は、改められるべきだ。」と述べた。

 関連データによれば、2012年に中国全土の地方裁判所では、知的財産権侵害にかかる判決が下された刑事案件は合計12,794件にも上ったという。公安機関では、模造品劣悪商品犯罪にかかる事件が4.4万件立件され、事件による関連(価値)総額は113.14億元に達したという。税関が権利侵害品を押収した回数は合計1.5万回に上り、押収された品は9,100万件余りに及ぶという。工商機関が立件、調査、処分した権利侵害模造品に関する案件は12.04万件、関連金額は20.24億元に上った。知的財産権関連機関が受理した特許紛争案件は2,510件に上り、調査・処分した模造品特許案件は6,512件に上り、版権機関が調査・処分したウェブサイトにおいての海賊版による権利侵害案件は合計282件で、権利侵害を行ったウェブサイト129社を閉鎖した。

 この他、知的財産権の受理、審査認可登記の数も大幅に増加しつつある。年間の発明特許への権利授与は21.7万件で、1年間に受理される商標登録出願数は164.8万件である。商標の累計出願数は1,136万件に達し、世界第一位の地位を維持、作品の登録量は、68.8万件、ソフト著作権の登記量は13.9万件にも達しており、いずれも歴代最高記録に到達している。

(新民晩報より)

作成日:2013年05月07日