電子領収書管理弁法、来月より施行-電子領収書発行と消費者の権利保護-
国家税務総局より公布された『電子領収書管理弁法』(以下「弁法」という。)が、4月1日より施行される。これにより全てのネットショップが消費者に領収書を発行することが求められる。専門家は、弁法実施後は消費者が領収書の発行を求め自らの権利を守り、国が保証を提供することになると述べている。
弁法の解釈によれば、領収書を発行する事業者及び個人は、真実通りにネット領収書を発行しなければならず、ネット領収書を利用して転貸、譲渡、虚偽の領収書発行及びその他の違法活動を行ってはならないとされている。省以上の税務機関は、ネット領収書の情報が正確に入力され、確実にストックされ、認証番号の確認ができ、安全第一という条件が確保されれば、電子領収書を試行することができるとしている。
現在、税務機関は、主に企業が販売した商品及び提供した労務による收入に課税している。領収書は、事業者及び個人が商品を販売するか、労務を提供した際に相手側に発行する代金受取の書面での証明書であり、一定程度の収入状況が反映されており、税務機関による監査の際の重要な根拠となっている。このように、課税と領収書発行には緊密な関係がある。財政部財政科学研究所の孫剛研究員によれば、弁法の施行の主な目的は課税の為の準備だという。
現在全ての消費モデルがインターネットへと転向し、ネットショッピングする消費者が益々多くなっている。にもかかわらず、伝統的な課税方法は実体の店舗のあるリアルな場所で徴税する方法のみであり、これを改善しないことには、多くの税源が逃げ出してしまうこととなる。これについて今までずっと検討されていたものの、具体的な方法に踏み出せなかった。今回の弁法施行による電子領収書は最初の一歩に過ぎないが、先ず領収書のシステムを作ることにより、その後の課税にも根拠ができることになる。孫研究員は、「ネット課税には一定に難しさがあるが、消費者の権利保護にとって代替することのできない役割を担うだろう」と話している。
ネット上の物は、リアルな場所と異なる。実体店舗なら工商営業許可証を取得するか、税務局にて税務登記を行っているため、調査する場合も調査が容易である。多くの人はネットを利用する場合、サッとログイン及びログアウトしてしまい、アドレスも固定していない。消費者の利益の保護という観点から、電子領収書制度の確立後は、こうした取引に問題が発生した場合、領収書の発行された場所で消費者の法的の権利保護ができるようになることを希望している。
調査によれば、現在各大型ショッピングセンター、ブランドショップ等のネットモールやネット上の自社ショップでは、通常積極的に領収書を発行しているという。ただし、多くの小規模なネットショップの店主は、積極的に領収書を発行しておらず、店主によっては領収書を発行できない者までいる。上述の孫研究員によれば、弁法施行後は、消費者が領収書の発行を求め、自らの権利を守る上でより保障されるなることが期待されている。
消費者にとって、領収書を受取ることは権利を保護する上で必要な手段及び証拠となる。ネット販売では、一部不誠実な商品があったり、取引の証拠が欠けている場合もある。領収書があれば、取引行為の存在の認定や権利の保障が、過去の領収書の無い時代に比べ格段に向上することになる。また、事業者が商業活動に従事した場合、法に基づいて納税することは憲法の定める納税義務である。
統計によれば、2012年つまり去年の上半期、中国で既に電子領収書を使用している企業は162万社に上り、領収書発行にかかる累計金額は21万億元を超えたという。国家税務総局の宋蘭副局長は、現在国家税務総局は商取引への課税を検討しており、これは電子商取引の健全な発展のため、同時に納税義務を履行させるためだと話す。
(中広報より)
作成日:2013年03月08日