労働紛争案件司法解釈(4)について
Q:今月、労働紛争に関する新しい法規が施行されたと聞きました。詳細について教えてください。
A:先月1月18日、最高人民法院より『労働紛争案件の審理に適用される法律に関する若干の問題についての最高人民法院の解釈(4)』(以下「司法解釈(4)」といいます)が公布され、2月1日より施行されました。司法解釈(4)は昨年も意見聴取稿が発表されましたが、更なる修正が加えられ今回の公布の運びとなりました。司法解釈(4)の概要とポイントは以下の通りです。
①人民法院による仲裁の不受理、仲裁を終局的な裁決とする労働案件の処理方法
⇒司法解釈を通じて労働仲裁裁決を終局的・非終局的と認定された場合の対応について明確にした。
②支払い義務のみに関する調停合意について、司法確認申立ての承認
⇒労働紛争について、会社と労働者による調停合意後、労働者が前言を撤回するか、会社が履行しない状況について司法確認により強制執行力を与える。(法を遵守する日系企業に有利)
③競業避止に関する問題の処理(5条にわたって記載、全内容の3分の1を占める)
⇒会社は競業避止合意を随時解除することができる。(会社に有利)会社が経済補償を支払った場合、労働者は違約金を支払っても競業避止合意を解除できない。
④労働契約解除時の労働組合による監督
⇒労働契約の意見を求めずに労働契約を解除した場合、「違法解雇」となる。
⑤書面によらず労働契約を変更した場合の効力の認定
⇒口頭による労働契約の変更を許容しているが、「実際に口頭にて変更した契約を履行して1ヶ月が経過し、かつ変更後の労働契約の内容が法律、行政法規、国家政策及び公序良俗に違反しない」場合の救済を認めたにとどまり、予期せぬ法的トラブルに備え、契約変更時に書面を作成した方がよい。
⑥外国人が就業証を取得しない場合の労働関係の認定
⇒裁判所は外国人の不法就労を法的に保護すべき労働関係と認めない。
作成日:2013年02月26日