破産法施行から5年、依然として難しい破産案件の処理
最近開催された「第五回全国破産法フォーラム」上で、,最高裁の奚暁明副所長は、破産法の施行から5年が経過したものの、全体から見て実施の効果は人々の希望を実現しているとは言えず、破産法は市場秩序に対する積極的な調整作用を充分に発揮しておらず、破産案件を処理することが難しい傾向が以前として存在していると指摘した。
副所長は、2008年の金融危機以降、中国国内企業の経営は不景気になったものの、企業からの破産申請は大幅に増加してはいないことを率直に認めた。「これは事態が楽観的であることを意味していない。むしろ企業が市場から退場するメカニズムが非常に混乱していて、多くの企業は自然淘汰されていることを意味するものである。破産法の規定に基づけば、ある企業が市場から退場する場合、債務を清算して市場を退場し、会社登記を抹消すべきであり、債務が超過した場合は、破産プロセスを通じて正常に市場を退場すべきである。」
現在、企業破産案件を処理することが難しいことについて、奚暁明副所長は、以下のように分析している。「関係者の企業破産法に関する機能についての認識が一面的で、再編和解プロセスが困難企業を救済する作用が充分認識されておらず、清算プロセスは債権者間の衝突を解消させ、矛盾や紛争を理解するという面の機能が理解されていない。これと共に、破産案件は一般的な民商事案件と違って、開廷及び会議を組み合わせるという特徴を備えている。破産案件においては、案件処理及び事務処理を協調させるだけではなく、審査と交渉を組み合わせ、案件によっては裁判所による判断が必要であり、別の案件では再編が必要であり、会議を開いて交渉する必要のある案件もあり、極めて複雑である。裁判所によっては、民事案件を10件扱ったとしても、破産案は扱いたくないという。なぜなら破産は多くの債務の清算が関わり、大変難しい作業だからである。裁判所内部の成績考課メカニズムも、破産案件の処理を奨励するまでには至っていないため、幾つかの裁判所は破産案件の受理に消極的になっている。
これ以外にも、副所長は、現行の立法は破産法の実際の運用により発生した問題に明確な規定を設けられておらず、企業破産のプロセスが順調に進行することを保証する付帯制度が完備されていないことを認めた。今後、破産法の運用において重点的に以下の問題を検討すべきである。破産管理人の指定及び管理の一本化問題。裁判所と管理人、債権者会議の職権配置の問題及び上場企業の破産再編問題。
説明によれば、ここ数年、最高裁は終始企業破産案件の処理難問題の解決に当たっているという。この問題は、破産法を正確に運用する上での重要な作業である。企業破産案件の受理基準及びプロセスを明確化し、裁判所が法を適用する際の障害を取り除くため、最高裁は2011年に『破産法適用に関する若干の問題の規定』を公布した。副所長は、今後最高裁は、破産法の司法解釈を小売販売する方法を採用し、統一卸売はせず、破産案件受理プロセスの具体的な問題について的を絞った司法解釈を公布すると述べた。
(法制日報より)
作成日:2012年11月22日