最高人民法院が海上貨物運輸代理紛争の司法解釈を公布
最高人民法院は3月18日、『海上貨物運輸代理紛争案件審理の若干問題に関する規定』を公布し、海上貨物運輸代理契約の紛争案件に対する「過失推定原則」を採用することを明らかにした。これにより貨物輸送代理企業は、その過失がないことを立証する責任を負うこととなった。当該司法解釈は今年5月1日より実施される。
現在、中国の貨物運輸代理市場は玉石混淆で、違法に貨物代理業に従事している企業及び個人を取り締まっているものの、その存在は後を絶たず、貨物運輸代理業の制度が整備されていないことを原因とした貨物運輸代理に関する紛争が増加の一途を辿っている。中でも、国際海上貨物運輸代理に関する法律関係が最も複雑であり、これにより引き起こされた法律紛争及び訴訟が最も多い。
司法解釈は、実務において一部の貨物運輸代理企業が自らの利益追求のため、依頼人の貨物を資格の無い非船舶業務経営者に運輸させているという現状に対し、貨物運輸代理企業が不適格な運輸請負人を選択し、任用した場合、相応の賠償責任を負わなければならないと明確に規定した。
また司法解釈は、FOB貿易条件(即ち本船甲板渡取引)において、貨物運輸代理企業は取引は売主・買主のどちらへB/L(船荷証券)を交付するかという問題について、貨物の所有者の利益を保護する司法方針を採択し、貨物運輸代理企業は実際に貨物を引き渡される売主側へB/ Lを交付しなければならないということを明確化した。
さらに、貨物運輸代理企業が抗弁権の行使を充分に行使し、それと同時に履行できるようにするため、関連書類を留保できるとした。但し、国際貿易の正常な秩序に重大な影響を与えるB/L等の運輸書類の留保は禁止するとした。
(法制ネットより)
作成日:2012年03月28日