最新法律動向

自動車「三包」規定について再度パブリックコメント募集

ボイスオブチャイナ「ニュース縦横」番組は、現在、政府が自動車「三包」規定についてパブリックコメントを募集していると報道し、自動車のリコール制度に比べ、自動車の「三包」は相当難しいのではないかとの印象を述べた。自動車の三包とは、簡単に言うと有効期間内であれば、自動車の修理、交換、返品に責任を負うというものである。何度も討論を重ね、7年の推敲を経た『自家用車の修理、交換、返品についての責任規定』は、今年初めにパブリックコメントとしては極めて稀な第2回目の意見稿が出された。

「自動車の三包」については、消費者、自動車メーカー、ディーラーともに言い分があり、上海自動車の蒋峻副総経理は、「三包」について以下のようにより詳細な規定を設けることが必要である、と述べている。「自動車三包という点から見れば、これは間違いなく1つの進歩でしょうが、自動車の三包についての税金・費用について、国は窓口を設けて各種の手続きをワンストップで行うことが望ましいと思います。また、自動車がリコールされた後、修理すれば再販することが可能なのか否かについても、境界線を引くべきだと思います。」

 第1回目の意見稿では、責任の帰属が不明確だった。また、自動車に品質問題が発生した際に、「審判」する役割を誰が担うのかなどの問題についても、今回は比較的に明確な規定を設けた。
専門家の賈新光氏は、「この意見稿には、まだ争議のあるものの、第一回目の紛争の中でクローズアップされていた問題が比較的に反映されてきた感がある。元々意見が分かれていた誰が裁決を行うかという問題についても、今回は専門家データベースを作成すると記載され、どの部門が紛争の処理に責任を負うかについても明確化された。」と述べている。

 新たな意見稿は多くの修正を行っているものの、全ての紛争が無くなったわけではない。多くの人は、三包の責任をディーラーにだけ負わせてはならず、ディーラーとメーカーが共同で責任を負うべきだと考えている。自動車の権利維持に尽力してきた張維雲弁護士は、「自動車の三包責任は、ディーラーの法に基づく責任を記載するなど製品品質の一部の問題を解決したのみで、上位法に対しては、製品品質法であるか権利侵害責任法であるかに関わらず、形式上矛盾している。」と話す。

 重要部品及びユニット全体を交換した場合、新たに三包期間をカウントし直すか否かという問題についても、これまでずっと争点となってきたが、新たな意見稿にも明確には記載されなかった。この問題について張維雲弁護士は、以下のように指摘している。「完成車の三包期間にベアリング及びシステムを交換した場合には、三包期間を改めて計算するべきだと思う。こうすることで消費者にとって極めて有利となる。アメリカやヨーロッパでは、自動車のベアリング及びシステムの三包期間は単独でなければならないとされており、この期間は完成車の三包期間よりも長くなっている。」

(中国ニュースネットより)

作成日:2012年02月22日