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賃金の合理的ベースアップ制度確立の研究

 人力資源社会保障部は、ボイス・オブ・チャイナの番組「全国ニュースユニオン放送」の報道の中で、今年も中国は賃金収入の分配制度改革を引き続き推進し、国家機関及び事業者並びに企業の賃金を合理的にベースアップしていくメカニズムを研究し、これを確立すると発表した。

 人力資源社会保障部の尹蔚民部長は、国家機関及び事業者の賃金收入分配制度改革を着実に推進させ、企業の賃金管理業務を更に強化すると述べた。その中で、民間企業及び業界における賃金の団体交渉率を徐々に引き上げていき、2011年には、各地において適切な時期に最低賃金基準を調整するように指導したとのことである。同氏は「2011年度は中国の24の省レベルの自治体において、最低賃金基準を調整した。その平均上昇率は22%に上った。」と述べた。

 2012年には賃金収入の分配制度改革を推進し、国家機関及び事業者並びに企業の賃金を合理的にベースアップしていくメカニズムを研究し、これを確立していくということにも言及した。また企業の賃金分配への指導・調整を強化し、企業の賃金調査及び情報公開制度確立の歩みを早め、賃金ガイドライン並びに賃金団体交渉制度を整備していくとした。

 尹蔚民部長はさらに、「今後、経済の成長、企業の労働生産率の向上、従業員收入及び物価レベルを包括的に考慮し、適切かつ適度に最低賃金基準を調整する作業を行っていく。国有企業の賃金総額の管理方法を改革し、一部の収入の高い業界の賃金総額及び賃金レベルについて二重のコントロールを行い、中央企業(中国の国有企業のうち、国から管理・監督を受ける企業のこと)の責任者の賃金分配を継続的に規範化していく。また、引き続き賃金支払保障制度を確実なものとし、全面的に農民工(出稼ぎ農民)の賃金欠配問題管理についての特定項目行動を展開して、特に『元旦休暇及び春節休暇』期間に農民工へ賃金を支払う特定項目検査及び『基本的に給与の欠配は無い』ことを保障する業務を着実に行う。」と述べた。

(中国放送ネットより)

作成日:2012年01月18日