中国養老保険は都市と農村の垣根を越えて発展
新華ネット石家庄9月12日電 任麗穎記者・曹国廠記者 中秋節前、河北省懐鹿鎮二街村の70歳の王玉田老人と彼の66歳になる妻が現地の郵便局の貯金窓口を訪れ、それぞれ55元受領した。このお金は、新型農村社会養老保険、略称「新農保」と呼ばれるものである。
「俺と妻には子供はいない。年収は土地賃貸料の1,000元だけだ。また俺達は農村低保険戸でもあるから、一人毎月59元の低保険戸補助を受領している。以前は、これらが俺達2人の全収入だった。但し2009年12月から、俺達は更に一人当たり55元受け取れるようになったんだ。」
2009年9月、中国は農村の老人問題を解決するため、『新型農村養老保険試行活動展開に関する国務院の指導意見』を公布し、全国10%の県(市、区)にて新農保の試行活動を展開することを決定した。
全ての満16歳以上で、在学生ではなく、都市・鎮従業員基本養老保険に加入していない農村居留民は、いずれも新型社会養老保険に加入することができる。満60歳で、条件に適合する保険加入農民は、基本養老金を受領することができる。
中国人力資源社会保障部の胡暁義副部長は、かつて、中国の養老保険の試行場所及びその主な適用範囲は、全て都市を中心としており、これに含まれる養老保険加入者の範囲も都市が中心であり、農村居留民の養老保険制度の発展は、比較的に取り残されていたと述べた。
「改革開放以後、都市居留民と農村居留民の収入格差が広がるとともに、都市と農村の養老保険制度にも大きな開きがあり、なお且つこうした都市と農村の発展格差は日々拡大しつつある。」胡暁義は、このように述べた。
農業部が発表した「2005年中国農業発展報告」のデータに基づけば、2003年の中国の総人口は12.9227億人であり、うち農村人口は9.3751億とされている。
これまでずっと農村にて老人問題に取り組んできた河北省鹿泉市懐鹿鎮人民政府の職員王平生氏は、このように話している。かつては「老後のために子供を育てる」という観念が、中国の農村では根強いものであり、家族が老人を扶養するのが、最も重要な養老方法で、自給自足の農村社会では依然として適用されてきた。しかし、社会の発展により、人口の流動性が拡大し、より多くの農民が都市へ押し寄せるようになるに伴い、多くの農村過程の仕組みにも大きな変化が生じてきた。
中国の農村養老保険は、ずっと手さぐりの中で進められてきた。河北省人口研究の専門家王金営氏によれば、20世紀80年代までは、中国には農民養老保険は無く、貧困農民にのみ社会的な救済があり、1986年の国家「第7次5ヶ年計画」によって、漸く農民保険の設立が提案されたという。
現在、「新型農村社会養老保険」は、徐々に全国各地へと広がりつつある。西南財経大学保険社会保障研究センター主任林義氏によれば、2009年の新農保が試行されて以来、国家試行及び地方自らが試行する地区にて2億名近い農村居留民が保険に加入し、5,000万名余りの条件に適合する農村老年居留民が毎月養老金を受領しており、現政府の任期中にほぼ全ての農村をカバーする制度が実現するだろうという。
作成日:2011年09月14日