外国人の就業問題について
Q:「外国人の就業問題について」
当社は日系企業です。日本の本社は、昨年卒業したばかりの大学生(日本人)を1名雇用しました。先日、本社は、当該日本人を当社へ派遣し、業務に就かせる準備をしていました。当社で彼のために外国人就業手続きを行った際、中国で就業する外国人には、2年間の業務経験が備わっていなければならないということを知らされました。2年間の業務経験という規定には、法的根拠があるのでしょうか。
A:『外国人の中国における就業管理規定』第7条によれば、外国人が中国において就業する場合、従事する業務に必要となる専門技術及び関連する業務経験を有していなければならないとされています。当該規定の中の「関連する業務経験」という表現は、外国人就業審査認可機関に、外国人の業務経験を審査する際に、一定の自由裁量権を付与しています。
実際の取り扱いでは、上述の「関連する業務経験」に対する自由裁量権に基づいて、一部地方の労働保障部門が審査認可を行う場合、2年以上の関連する業務経験を求めることがあります。個別の地域(上海市)では、地方性規定が設けられ、「関連する業務経験」について、更に細分化された解釈がなされ、従事する業務に関連する2年以上の業務経験の必要性を明確に定めています。
山東省労働保障庁の就業事務室の業務担当者に問い合わせたところでは、外国人の山東省での就業申請を審査する際、就業する外国人に2年以上の関連する業務経験を求めているとの回答を得ました。この担当者は、労働社会保障部に関連規定はあると言うものの、関連規定の名称は教えてくれませんでした。これについて、弊所弁護士は労働及び社会保障部のウェブサイトで公表されている就業関連の政策法規を調べ、また北京市及び上海市の労働及び社会保障部門へ問い合わせたものの、「2年以上の関連業務経験」という法律規定は見つけることができませんでした。恐らく「2年以上の関連業務経験」という要求は、労働保障部門が外国人の就業許可を審査する際の内部規定ではないかと推測いたします。
作成日:2010年08月23日