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AI生成作品には識別ラベルが必要 -NEW-

   2025年3月14日、国家インターネット情報弁公室、工業情報化部など4部門が共同で公布した、『人工知能生成合成コンテンツラベル弁法』(以下『弁法』という。)が、2025年9月1日より施行されます。この『弁法』は、主に人工知能(AI)で生成されたコンテンツを規制するために導入された政策です。今回は『弁法』の要点、及び企業として留意すべき点について簡潔に解説いたします。

1. AI生成コンテンツはすべて『弁法』の規制対象
   『弁法』の規定によると、AI技術により生成されたテキスト、画像、音声、動画、仮想空間などのコンテンツは、個人的なSNSへの投稿から企業による製品説明や広告宣伝に至るまで、身分証やパスポートなどと同様、必ず全てに「AIによる生成」であることを識別するためのラベルを付けるよう要求されています。なお、コンテンツ生成後に改めてラベルを付けてもよいかどうかについては、今後の議論を待たなければなりません。(第3条)
   また、提供者が中国の現地企業か否かにかかわらず、中国国内で提供されるAI生成コンテンツサービスや製品すべてが『弁法』の規制を受けるという点に留意することが必要です。加えて、中国国外でAI生成されたコンテンツを中国国内向けに提供若しくは普及する場合も当該『弁法』を遵守することが求められます。

2. 特定の状況ではラベル付けは不要
   当該『弁法』では、顧客がサービス提供者に対しラベル(すぐに見分けがつくか聞き取りが可能であり、ユーザーがはっきり感知できるラベルを指す)を付けずにコンテンツを提供するよう要求した場合、サービス提供者はラベルを含まないコンテンツを提供することができると規定しています。(第9条)
   また、サービス提供者がリスクを回避または軽減するためには、事前にユーザー側のラベル付け義務と利用責任を記載した書面による合意書を交わし、提供したAI生成コンテンツおよびユーザー情報などのログを、少なくとも6カ月保管することが必要となるでしょう。

◆日系企業の注意点
(1)AI生成コンテンツを適切にラベリングすることに加え、AI生成コンテンツが法令に準拠しているか(虚偽情報の流布、知的財産権侵害、他人への名誉毀損などがないか)の審査も必要となります。
(2)通常、AI生成コンテンツは大量のデータに依存しているため、各企業は自社の重要な情報やデータが流出しないよう注意する必要があります。また、引用するデータソースが合法でコンプライアンス沿ったものであることを保証し、特に中国国内ユーザーのデータに関しては、『個人情報保護法』や『データセキュリティ法』などの関連法規を遵守し、データセキュリティ及びプライバシー保護を徹底する必要があります。
(3)企業がAI技術を利用する際は、AIシステムが生成コンテンツをラベリングする機能を備えていなければなりません。ラベリング機能がない場合、技術のアップデート若しくは関連技術を有するパートナーとの提携が必要となる可能性があります。
(4)中国のAI政策と監督管理環境は今後も調整が続くことが予想されており、政策の変化を敏感に察知しつつ、関連法律法規の動向に注目し、新たな規制の下でも合法的な運営と継続的な発展を実現することが求められます。
(5)2025年9月1日の施行開始に向け、各企業は現地弁護士との事前の相談やインターネット情報弁公室など関連監督管理部門とのコミュニケーションにより『弁法』への理解を深め、『弁法』の具体的要求を満たす必要があります。

作成日:2025年03月24日