朗報!中小企業の債権回収保障に関わる条例の改正 -NEW-
3月24日、国務院は新たに改正された『中小企業代金支払保障条例』(以下『条例』という。)を公布しました。この新たな『条例』は支払期限の短縮、実質的な延滞の禁止、監督管理処罰措置の強化など通じ、中小企業の代金回収の便宜を図ると同時に、政府機関や事業者及び大企業に対するコンプライアンス要求を強める内容となっています。今回は本『条例』の参考ポイントを簡単に紹介いたします。
1.『条例』は中小企業にとって有利となる
本『条例』の規制は、政府機関や事業単位及び大企業が、中小企業から物品、工事、サービスを購入した後の支払期限や支払方式などにのみ適用され、中小企業は当該『条例』の規制を受けません。(第2条)
中小企業と大企業の判断基準については、日中間でそれぞれの判断基準がありますが、一般的には契約締結時の中国の企業規模類型基準によって決定されます。
2.中小企業に有利な支払期限の設定が可能
新『条例』には大企業から中小企業への支払いに関する期限(納品またはサービスを提供されてから60日以内。契約に別途約定がある場合でも、業界慣行や取引習慣に沿うことが求められている)が追加されています。また、政府機関や事業単位から中小企業への支払いにも規定(原則30日以内、最長でも60日を超えない)が設けられています。(第9条)
本『条例』の支払期限は中小企業に有利なものとなっているため、政府機関や事業単位及び大企業と取引を行う際に、当該『条例』を参考に支払期限に関する条項を約定することで、優位性を利用して不合理または過度に長期な支払期限を設定されることを避けることが可能となります。
3.代金回収のための新ルートの設置
本『条例』によると、国務院の中小企業促進業務の総合管理担当部門は、全国統一の中小企業代金滞納苦情申し立てプラットフォームを構築し、苦情対応の期限を規定するとしています。今後中小企業は、この苦情申し立てプラットフォームから代金回収に関する苦情を申し立てることができます。(第24条)
◆日系企業へのアドバイス
本『条例』は、中小企業による政府機関や事業単位及び大企業からの代金回収に政策的な支持と利便性を与えるものとなりますので、各日系企業も本『条例』を正しく理解し、活用することが重要となります。また、今後各省が詳細措置を発表する可能性もあるため、現地の監督管理政策の変化に適宜注意することも必要です。
作成日:2025年03月27日