速報:民間経済促進法草案の二次審議稿が審議入り
2025年2月24日、第14期全国人民代表大会常務委員会第14回会議が北京で開催され、民間経済促進法草案の二次審議稿(以下「二次審議稿」という。)が審議事項として提出されました。
当該二次審議稿は一次審議稿をベースに一部の内容に調整を加え、国家の立法面から民間経済およびビジネス環境の法治面の保障を進めるものとなっており、民間企業の発展において大いにメリットがあります。そこで今回は、二次審議稿における注目ポイントについて簡潔に紹介いたします。
1.企業に関わる行為への「不遡及の原則」を適用について
この「不遡及の原則」条項の目的は、主に企業経営の見通しを保障することであり、これにより企業の過去の行為を新たな規定によって追及することはできなくなるため、法律規定や政策の変化が企業の過去の行為を「蒸し返す」というリスクを軽減または回避することが可能となります。
例えば、2025年に発効された法律を2024年に企業が行った合法的な経営行為の処罰に適用することはできないことになり、法解釈の調整によって過去の合法的な行為が、突然非合法であると認定されるリスクや懸念を軽減することができます。
企業の注意点:
(1)この「不遡及の原則」条項の適用範囲は、裁判や検察機構が行う捜査における具体的な適用法律の解釈(司法解釈や事案ガイドライン)のみに限定されており、法律そのものは適用範囲ではありません。例えば、「不正競争」の概念が新たに調整された場合、企業が調整前に行った行為が「不当行為」に該当するかどうかについては、調整前の基準を適用しなければなりません。
(2)新たな解釈が企業にとって有利となる場合(罰金割合の引き下げなど)、企業は過去の紛争処理に対する新たな解釈の適用を主張することにより、損失を軽減することもできます。
2.恣意的な費用徴収や罰金の規制について
二次審議稿では、いかなる組織や団体も民間経済組織に対し違法な費用徴収を行ってはならず、また法律や法規の根拠がない罰金を科してはならないことが提起されています。例えば、法執行官が「衛生基準を満たしていない」ことを理由に企業に10万元の罰金を科す場合、関連法規における罰金の最高額基準は5万元であることから、これは違法な罰金となります。そのほか、企業に「スポンサー料や寄付金」などの提供を要求するなど、民間経済組織に財物を求めることはできません。
これは、国家が立法形式によって政府及びその他組織の行政行為を規制し、公権力による民営企業の生産や経営への外的干渉をできる限り減少し、政府によるむやみな費用徴収の可能性を抑制するものでもあります。同時に企業は政府に対し関連サービス事項とその費用基準の公開を求めることができるため、これはビジネス環境を透明化し、裏取引の発生を回避、また減少させるものとなります。
先日実施された民間企業座談会でも、近い将来における人工知能や新エネルギー、高品質製造業及び新質生産力、サービス業などの分野の発展傾向が示されました。今後、『民間経済促進法』の公布と施行により、民間企業は市場競争においてより多くの法治面における保障を得ることを期待できますが、企業が違法行為リスクを軽減するには、企業側にもより一層の法令遵守やコンプライアンス経営が求められます。
作成日:2025年02月26日