最新:北京、上海における社会保険納付基数の再引き上げ!
2024年7月31日、北京市人力資源・社会保障局、北京市医療保障局、国家税務総局北京市税務局は、『2024年度各種社会保険納付賃金基数の上下限統一に関する通達』(京人社発[2024]第12号)を共同で発表しました。
同通達により、2024年7月以降、北京市の社会保険納付基数の下限は、2023年度の6,326元から6,821元に引き上げられることになりました。つまり、従業員の賃金が6,821元より低い場合でも、企業は6,821人民元を基数として社会保険料を納付しなければならないことを意味しています。これにより、企業の社会保険料支出コストは1人当たり月額2,500人民元以上となり、北京市の最低賃金基準(月額2,420人民元)を上回ることになります。
また同日、上海市人力資源・社会保障局も社会保険納付基数の上下限の調整を発表し、2024年7月1日以降、上海市の社会保険納付基数の上限を36,921元/月、下限を7,384元/月に調整しました。
今のところ青島市からは最新の社会保険納付基数調整の発表はありませんが、青島市統計局が2024年7月9日に発表した2023年の青島の平均賃金は約7,918元/月となっており、今後青島市の社会保険納付基数の下限(平均賃金の60%以上)も引き上げられる可能性があります。
昨今の経済状況下において、ほとんどの企業や従業員は将来に対する見通しが不透明である上、今回の社会保険納付基数引き上げにより、企業と従業員個人が負担する社会保険料がアップすることで、企業求人が一層冷え込む可能性が高くなります。これを踏まえ、企業がコンプライアンスを前提としたコスト経費削減をどのように進めるか、また、経営効率をいかに向上させるかは、各現地日系企業にとって一層重要なテーマとなることでしょう。
作成日:2024年08月06日