グリーン健康コードに*マークが表示された場合の帰省は可能か
春節間近となり、多くの中国籍従業員が帰省をするかどうか悩んでいます。最近は、一部の地方で、グリーン健康コードを呈示できても、行程カードに「*」マークが表示される者は隔離を要求されることがあり、ネットメディアで大きな話題となっています。
グリーン健康コードに*マークの出ている人が帰省できるか、隔離が必要かといった問題について、最近の人民日報による解説をご紹介いたします。
1.グリーン健康コードに*マークが表示されることの意味
健康コード、行程カード上に*マークが表示される場合、その人が過去14日以内に訪問した都市が、その時点で中・高リスク区域となっている地域であることを表します。ある地方での滞在が4時間を超え、その間に携帯電話で行程カードアプリを起動すれば、その地方が行程カードに記録されます。
ただし、行程カードに*マークが出ても、中・高リスク区域を実際に訪れたことを意味するわけではなく、健康状態とは必ずしも関係しないため、それほど気にする必要はありません。
行程カードの情報は毎日1度更新されます。従業員や駐在員に他の地方へ出かける予定がある場合は、自身が過去14日間に訪れた都市の感染状況を事前にチェックし、行き先の関連機関に現地の防疫政策を確認しておく必要があります。
2.帰省の可否、隔離の要否
グリーン健康コードに*マークが出ている場合に帰省が可能かどうか、隔離が必要となるかどうかについてはなお具体的な分析が必要となります。
(1)それまで対象都市の中・高リスク区域を訪れていなければ、正常に帰省することができ、隔離は必要ありません。ただし、各地の政策は統一されていないため、具体的な措置は事前に現地感染対策機関に問い合わせるのが良いでしょう。例えば、北京市では現在、北京に入る(戻る)人員に対し、「北京健康コード」が緑色であることと、48時間以内のPCR陰性証明の呈示を求めており、北京に入った後にも72時間以内にさらにPCR検査を受ける必要があります。また、14日以内に新型コロナウイルスの国内感染者が1名以上発生した県級地方を訪れた者が北京に入ることを厳しく制限されることもご留意ください。
(2)実際に対象都市の中・高リスク区域を訪れていた場合は、以下の要領での隔離が必要となります。
① 14日以内に高リスク区域を訪れた場合、14日の集中(指定施設)隔離観察+7日の健康モニタリングを実施。
② 14日以内に中リスク区域を訪れた場合、14日の自宅隔離観察+7日の健康モニタリングを実施。自宅隔離条件に該当しない場合は、14日間の集中隔離観察を要求されることもあります。
14日以内に中・高リスク区域を訪問した場合は、現在の居住地に留まり、行程カードに*マークの都市が表示されなくなるのを待ってから出発されるようお勧めします。
このほか、会社の従業員には帰省後、中・高リスク区域へは行かないよう注意する必要があります。中・高リスク区域を訪れたり、帰省先が中・高リスク区域となった場合、春節後に勤務地へ戻れなくなるリスクがあります。
◆ 日系企業へのアドバイス
各日系企業には、春節休暇後に戻れなくなったり、戻った後で隔離となるリスクを回避する方法について従業員や弁護士と相談し、隔離が必要となった場合の期間中の従業員への賃金支給等についても検討しておくようお勧めいたします。例えば、春節休暇前に書面やメールの形で、例えば従業員に居住地で春節を過ごすことを推奨し、中・高リスク区域へは行かせない(行ったことによる法的結果として宿泊費用やPCR検査費用等は従業員の自己負担とする、隔離期間は有給休暇を消化させる等)といった会社の方針を従業員に事前告知しておくことをお勧めします。
また、現地の防疫政策を遵守し、帰省によって発生する費用は自己負担とすること等を要約した、例えば誓約書などに従業員のサインを取得しておくという方法もあります。これらの対応にお困りの際は、弊所にご連絡ください。
作成日:2022年01月28日