新型コロナウイルスワクチン接種に関する最新情報
12月30日、中国国内初の新型コロナウイルス不活性化ワクチンの条件付き実用化が国家薬品監督管理局により承認されました。ワクチンが実用化された後、いつ頃接種可能となるのか、どうすれば接種できるのかは日系企業の全ての従業員、駐在員及びその家族の関心の的となっています。弊所実務調査の状況に基づき、新型コロナウイルスワクチンの接種登記方法を以下にご紹介いたしますので、ご参考いただければと存じます。
◆ワクチン接種の法的根拠
『ワクチン管理法』、『新型コロナウイルスワクチンの緊急使用案』及び国家衛生健康委員会より公布された『免疫計画外ワクチンの使用にかかる指導原則(2020年版)』の関連規定により、この度の新型コロナウイルスワクチンは免疫計画外ワクチンであるとされています。国は人々に当該ワクチンの接種を強制せず、接種する人は事情を知ったうえで自らの自由意思で接種することができます。
◆ワクチン接種に関する情報
弊所のこれまでの調査結果から、日系企業の全ての従業員、駐在員及びその家族には以下の点にご留意いただく必要があります。
(1)外国人又は国際間の往来の必要がある人員はワクチンを接種できる
現行の政策では、外国人又は国際間の往来の必要がある人員は、新型コロナウイルス不活性化ワクチンを接種することができるとされています。このほか、コールドチェーン、国境検査、医療感染対策等に従事する、感染リスクのより高い業務担当者も、新型コロナウイルスワクチンを接種することができます。
(2)接種可能な年齢
18~59歳までとされ、未成年や60歳以上の人員は現在接種対象者の範囲に含まれていません。なお、接種できる年齢の範囲は今後拡張される可能性があります。
(3)接種場所
各地によりワクチン接種場所は異なりますが、一般に接種する人員の居住場所・勤務先の所在地の街道又は社区の衛生サービスセンター又は診療所等となります。
(4)ワクチンの接種には事前予約登記が必要
現在のワクチンが緊急に必要とされている状況において、接種する人員は事前に本人の関連情報として、氏名、身分証明書番号、勤務先、居住地、国籍、電話番号、アレルギー歴、予防接種に対する異常反応歴等を入力し予約登記を行うことが必要です。地域によっては企業や組織ごとに集団予約を行い、個人予約は受け付けていないところがあり、現地の要求に応じて予約登記を行う必要があります。
(5)予約登記の方法
ワクチン接種の予約方法は各地によって異なり、電話予約又はオンライン予約とするところもあれば、直接接種場所で予約登記するところもあります。青島では電話予約、オンライン予約とも可能とされており、北京市朝陽区では、出国する者について、本人が身分証、有効なパスポート、ビザ、国外企業の招聘状等の書類原本を揃えて居住地の街道弁事処もしくは社区のサービスセンターにて審査確認を受ける必要があるとされています。
(6)国際間の往来の必要がある人員の必要書類
ワクチンを接種する人員は予約登記又は直接接種場所にて一定の書類を提出する必要があります。出国する必要のない人員については、本人の身分証明書、居住証又は不動産権利証書、会社発行の在職証明を提出すればよいとされます。
ただし、外国人又は国際間の往来の必要がある人員については、上記の書類のほか、本人の有効なパスポート、ビザ及び国外企業の招聘状等の原本の提出を求め、地方によっては接種する人員の出国後国外における行程スケジュールの提出が必要となるところもあります。
留意点:
(1)妊婦、授乳期の女性、発熱・感染等により免疫状態に乱れが生じている人は、新型コロナウイルスワクチンの接種に適さないとされています。ワクチンを接種したからといって新型コロナウイルスに感染しないわけではなく、一般に有効期間は6ヶ月で、この間も依然として手洗いを励行し、マスクを着用する必要があります。
(2)原則として公衆は自らの意思で新型コロナウイルスワクチンを接種するか否かを選択できますが、一部の特殊業種(食品等コールドチェーンの輸出入業界従事者等)については、政府要求によりワクチンを接種が義務付けられ、接種しないと現地政府機関より感染対策期間中の当該コールドチェーン業務への従事を控えるよう要求される可能性があります。
◆日系企業へのアドバイス
今回のワクチンは、2~4週間の間隔を空け2度接種する必要があるため、近く出国する予定のある方は、合理的にスケジュールを調整する必要があります。
また、各地により新型コロナウイルスワクチンの接種方法や必要書類には一定の相違があるため、駐在員及びその家族がワクチンを接種する前に、自身が接種可能かどうか及び必要書類について、現地の街道弁事処又は社区のサービスセンター等に確認いただくことをお勧めいたします。ご要望いただけば、弊所にて各社の駐在員やその家族について、関係機関との交渉、ワクチン接種の予約や審査等の一連の業務を代行することも可能です。
作成日:2021年01月06日