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虚偽の宣伝行為への社内対策

   マーケティング担当者が販売拡大のために、製品の効果を誇大した虚偽の宣伝を行うことがしばしばあります。近年『不正競争防止法』、『広告法』等の法規でも、虚偽の宣伝に対する懲罰が加重されており、企業が罰金、損害賠償、名誉損失といった結果を被ったり、重大な状況では営業許可証を取り上げられたり、刑事罰を受ける場合もあります。マーケティング担当者による上記のような行為をいかにして防ぐかは、企業が早急に検討すべき課題となっています。弊所より以下のアドバイスをご提供いたしますので、皆様の検討の参考になれば幸いです。

(1)従業員に『不正競争防止法』、『広告法』、『消費者権益保護法』等の関連法規をよく読み理解するよう指示し、自発的な法令遵守の意識を向上させる。
(2)社内で「販売マニュアル」を制定し、内部通報、監督及び懲罰のメカニズムを構築し、定期的に規則違反者に対する指摘、告発を行うことで、他の従業員への注意喚起を行う。
   実務においては、①販売マニュアル、懲罰メカニズムを作るにあたり、コンプライアンスの遵守、公示等民主的プロセスの履行に注意し、②規則違反者に対する処分、告発を実行する際には、個人情報の合理的かつ適切な処理、従業員の個人情報の侵害防止に配慮する。
(3)現地の弁護士又はその他の専門家による、マーケティング担当者向けのコンプライアンス研修やセミナーを定期的に実施する。
(4)顧客、消費者からの通報・クレームの受付ホットラインを設け、マーケティング担当者の業務行為について、現地の弁護士又は第三者専門機関による外部からの分析、監督を受ける。

   企業で虚偽の宣伝が発生してしまった場合には、速やかに経験のある弁護士に依頼して政府機関と交渉したうえ、適法かつ合理的な措置を取って企業への処罰や影響の軽減を図ることをお勧めします。早急に対処しないと、現地法人及び本社の名誉、信用、利益に大きな支障を及ぼすことにもなりかねません。

作成日:2020年09月02日