史上最も厳格な信用失墜行為の合同懲戒措置
今年11月22日、人力資源社会保障部、商務部、税務総局、税関等28機関が共同で公布した『社会保険分野の重大な信用失墜企業及びその関係者に対する合同懲戒の実施協力に関する覚書』が施行されることになり、社会保険金の受け取りにかかる重大な信用失墜行為について32項にわたる懲戒措置が規定されました。
①信用失墜企業と、信用失墜の責任を負う主体を法定代表者、実際支配者、董事、監事、高級管理職にもつ企業・組織を監督管理の重点対象とし、日常の監督管理を強化し、抽出検査の比率と頻度を高めて関連する法律・法規に基づき行政監督管理措置を取る。
②重大な信用失墜行為の責任者に対し、航空機、列車の一等寝台、フェリーの二等以上の船室、「G」で始まる番号の高速鉄道列車の全座席、その他の高速鉄道列車の一等以上の座席の利用等、生活や仕事に必須でない消費行為を制限する。
③信用失墜企業が税関業務申請を行う際、輸出入貨物に対して厳密な監督管理を行い、検査、後続の査察或いは統計監督照合調査を強化する。
④適格国外機関投資者、適格国内機関投資者の上限額にかかる審査認可及び管理において、信用失墜状況が重要な補助参考データとされる。
⑤主要ニュースサイトを通じて信用失墜責任主体の情報が社会に公開される。
今回の『覚書』は、合同機関の数、合同懲戒措置の種類の多さから、「史上最も厳格な」ものであるといえるでしょう。企業が社会保険分野において信用失墜行為をしたことにより、企業自身のみならず、法定代表者、董事、監事、高級管理職等にも懲戒の監督管理が及ぶこととなります。中国政府が社会保険料の徴収への監督管理をますます強めている中、各企業は所在地の所管政府機関の動きに引き続き注目し、企業の社会保険に関するコンプライアンス確立を強化していくことが必要となっています。
作成日:2018年12月05日