各地で天然ガスの供給不足、生活用以外は制限を継続
最近の中国各地における天然ガスの供給不足
ここ数年、大気汚染の改善のため、もと石炭による集中暖房を実施していた地方でも天然ガスへの切り替えが徐々に進み、石炭から天然ガスへの転換が大々的に行われていますが、これに伴うあつれきがさらに深刻化しています。一方で、陝西省は西部地域のガスを東へ輸送するという重大任務を担い、その貢献は甚大なものとなっています。
天然ガスの供給不足は、陝西省に限ったことではなく、山東省、河南省、寧夏回族自治区、内モンゴル自治区等、北方の都市では概ね同じ困難を抱えています。さらにこの問題は南方にも波及しつつあるため、短期間では不足が解消されにくいと見られています。専門家の予測によると、今年1年間の天然ガス消費量は2,300億立方メートルに上り、これは330億立方メートル、同期比17%の増加となりましたが、石炭から天然ガスへの燃料転換によって新たに増加する消費量は200億立方メートル近くに及ぶと言われています。
天然ガスは、どこへ行ったのか
最近、中国各地で天然ガスの供給が逼迫し、工商業の全面停止等の措置を次々に講じて住民の基本的天然ガス使用の限界線をなんとか死守する状況となっています。河北省では、11月28日から全省で、天然ガス供給のオレンジ警報が発令されました。また、武漢市天然気有限公司では、供給不足が著しいとして、12月7日より供給確保緊急マニュアルに基づき、全市の娯楽施設、工商業及び機関・事業者への暖房供給を止め、工業等に従事する約300社への天然ガス供給を停止しました。供給不足が著しいため、天然ガス価格の上昇も極めて著しく、値上げが18日間連続するという記録まで出たところ、最近はようやくやや落ち着いてきているそうです。12月、来年1月の気温がさらに大きく冷え込んだ場合、天然ガスが適時十分に供給されないと、市場における需要供給のアンバランスがさらに拡大することが予想されます。
「現在、エネルギー消費の多い業界にとって、生産能力削減を進め、産業構造のグレードアップを急ぎ、エネルギーの利用効率を大きく引き上げ、クリーンエネルギーへの代替を進め、輸出入構造を最適化することの全てが、石炭利用抑制の重要な任務となっている。」電力、鉄鋼、化学工業、建材の4分野による石炭消費総量は、中国全体の石炭消費総量の80%以上を占め、石炭抑制業務の重点課題領域となっています。
エネルギー消費量が多く、汚染レベルの高い業界への提案として、まずは基礎の部分から着手して、クリーンな代替エネルギーの発展に注力し、環境に優しい燃料を使用して基準超過や重汚染物質の排出問題を根本から解決し、クリーンエネルギーの普及加速と関連業界の発展推進を図り、それによって業界改革を牽引させることを、アドバイスしたいと思います。
作成日:2018年01月03日