『外商投資企業知的財産権保護行動案』正式に公布
背景
『外資の成長を促す若干の措置に関する国務院の通知』を着実に執行するため、2017年9月8日、全国知的財産権侵害及び偽者劣悪商品製造販売取締作業グループ弁公室、国家知的財産権局、公安部等12の機関が合同で『外商投資企業知的財産権保護行動案』(以下「案」という。)を公布し、2017年9月から12月迄、中国全土の範囲で外資系企業への知的財産権に関する犯罪行為の集中取り締まりを決定しました。これは、ここ数年で中国政府が始めて行う外資系企業の知的財産権保護のための特定項目行動となります。次に、「案」の政策のポイントについて簡単に説明いたします。
政策のポイント
1.外資系企業の商業上の秘密の保護に特化
中国の外資系企業からの反応が集中している商業上の秘密保護の問題について、「案」では、商業上の秘密の保護業務を今回の特定項目行動の一番の任務としています。「案」では、関係する行政機関に外資系企業の商業上の秘密の保護を強化し、刑事司法機関に商業上の秘密を犯す違法行為への捜査・処分、裁判を強化し、外資系企業の商業上の秘密を侵す違法行為を厳しく取り締まり、外資系企業の適法な権益を着実に保障することを要請しています。
2.外資系企業商標専用権の保護をポイントに
「案」では、外資系企業の著名商標、地理表記、外国に関わる商標の保護を強化し、悪意で商標を先行登録する行為と「偽ブランド」等の行為をポイントに捜査・処分し、ネット市場の監督管理の強化、検査監督の強化、司法判決の強化等の方法を通じて、商標権の侵害・模倣、虚偽宣伝等の行為を厳しく取り締まるとしています。
3.ウェブ上の権利侵害・海賊版行為を集中的に取り締まる
インターネットの普及に伴い、権利侵害・海賊版等の外資系企業の著作権を侵害する違法行為も次第にネットワーク化の傾向を呈してきました。今回の特定項目行動では、更にウェブ映像、音楽、ソフト、漫画アニメ、教材等の分野と電子商取引、ソフトウェアショップ(「アプリ」ともいう。)等の版権の保護を強化し、ソフトウェア正規版化業務を進め、法に基づいて外資系企業の著作権を保護するとしています。
留意点
「案」の公布により、中国政府は絶えず知的財産権保護システムの改善を行い、外資系企業の知的財産権保護を強める決意を表明しています。中国の外資系企業が知的財産権に侵害を受けた場合は、速やかに関係する取締機関及び刑事司法機関へ通報し、関係する事件が速やかに受理され、処理されるようになります。また、外資系企業は自らの保護意識を高め、全面的な知的財産権リスク防止コントロールシステムを確立し、知的財産権が侵害を受けた場合、有効に自らの適法な権益を維持・保護できるよう、検査、追跡、証拠の保全をしっかり行うようにしましょう。
作成日:2017年10月18日