最新法律動向

自貿区関連地区等で7項目の出入国に関する措置を実施 「中国版グリーンカード」の優遇措置拡大へ

   2015年7月以来、上海科学技術イノベーションセンター、福建自貿区、北京中関村国家イノベーションモデル地区、広東自貿区の建設及びイノベーションの促進と発展を支持し、出入国に便宜を図るための一連の政策的な措置が、公安部により続々と打ち出されてきている。これらの政策措置の効果が十分に発揮されるよう、公安部はこのたび、国の関連する自貿区及び全面的なイノベーション改革モデル地区において7項目の出入国政策措置を実施することを検討のうえ、決定した。

対象となる地域には、天津市、遼寧省、浙江省、河南省、湖北省、重慶市、四川省、陝西省の自貿区と、北京市、天津市、河北省、安徽省、広東省、四川省、瀋陽市、武漢市、西安市の全面的なイノベーション改革モデル地区が含まれる。

  これらの措置は、外国人の査証、出入国、短期滞在、長期滞在、永住等の複数の対象に適用される。7項目の政策措置のもと、外国人は次の4種類に分類される。

1.長期間中国で就労する外国人

 今回の新たな優遇政策により、中国で長期に渡り安定的に就労している一般外国人がその恩典に浴することになる。主な措置として、中国現地で就労する外国人が就労にかかる居留許可を連続して2回申請したことがあり、法律への違反・規則違反等の問題もない場合、3回目の就労にかかる居留許可の申請の際には、有効期間を5年とする就労にかかる居留許可の交付を規定に基づいて受けることができる。外国人が既に現地で連続して満4年以上就労しており、1年のうち中国国内に実際に居留する期間が累計6ヶ月以上であり、安定的な生活の保障と住所があり、賃金年収と納付する個人所得税が規定の基準に達している場合、雇用者からの推薦により中国での永住を申請することができ、その配偶者及び未成年の子女の帯同申請も許可される。この措置により、中国で長期に渡り安定的に就労している一般外国人の居留許可手続が、これまでより簡素化される。

2.外国人ハイレベル人材に対して

新たに打ち出された政策では、外国人のハイレベル人材が中国版グリーンカードを申請する上での制限が減らされ、中国に落ち着いて安定的に暮らせるチャンスが増やされている。会社が採用した外国人技術者及び高級管理職の人材は、就労許可証明手続を適切に行えば、入国(空)港において就労ビザを申請し入国することができるようになる。就労許可証明の手続が間に合わない場合、会社が発行したインビテーションレターを提示すれば「人材ビザ」を申請して入国することができる。認定基準に合う外国人ハイレベル人材及びその配偶者、未成年子女は、自貿区管理委員会等からの推薦により、直接中国への永住を申請し、中国版グリーンカードの交付を受けることができる。

3.外国籍の華人に対して

 新たな政策の規定によれば、中国への帰省、商談、科学・教育・文化・衛生交流活動や、私事の処理のために訪中した外国籍の華人に対しては、5年以内の複数回の出入国において有効なマルチビザを発給することができるとされている。同省において就労、学習、帰省及び私事に従事するため長期間滞在する場合は、規定に基づいて5年の有効期間をもつ居留許可の交付を受けることができる。博士以上の学歴を持つ外国籍の華人が現地で就労するか、外国籍の華人が当該地域において連続満4年以上就労しており、1年の中国国内での実際の累計居留期間が6ヶ月以上である場合、中国での永住を申請することができる。

4.外国人留学生に対して

新たな政策では、外国人留学生の中国における就労及び起業の権利にかかる保障について、特に明確化した。規定によれば、イノベーション、起業の意向がある外国人留学生に対して、中国の大学卒業証書を提示して2年乃至5年有効な私事の居留許可(「起業」と注記)を申請し、卒業前インターン及びイノベーション、起業活動を行うことができるとされている。この期間中に企業等で採用された場合、規定に基づいて就労にかかる居留許可の手続を行うことができる。省レベルの公安局出入国管理機関に届出を行っている企業で、採用前インターンのために海外から外国人大学生を招聘する場合、入国(空)港にて短期私事ビザ(「インターン」と注記)を申請し、入国してインターン活動を行うことができる。その他のビザで入国した場合でも、国内で短期私事ビザ(「インターン」と注記)に変更して、インターン活動を行うことができる。

  公安部の責任者によれば、7項目の出入国政策措置の実施拡大は、海外のハイレベル人材が訪中して活動するための便宜を図り、外国籍華人のイノベーション、起業の情熱を喚起する助けとなり、ひいては外国人材のもたらすメリットが存分に効果を発揮する結果にもつながるのではないかと考えているという。今後も、公安部では関係する地方の政府機関とともに政策の実施の準備を進め、地方のイノベーティブな発展のため、より良い出入国環境の整備していく。

(公安部のオフィシャルサイトより)

作成日:2017年04月24日