人社部『企業労働保障遵法信義誠実等級評価弁法』を公布~来年より企業に対する労働保障遵法信義誠実等級評価を実施~
評価の根拠
当該「弁法」により、企業労働保障遵法信義誠実等級評価業務は、県級以上の地方人力資源社会保障行政機関が、労働保障監察の管轄範囲に基づいて毎年1回実施することとなり、具体的には労働保障監察機関が実施の責任を負うものと規定された。「弁法」の規定により、企業労働保障遵法信義誠実等級評価は、主に日常の巡回検査、書類審査、通報苦情申立の調査と処分及び特定項目検査等、労働保障監察とその他関連業務から得られる企業の前年度の信用記録に基づいて行うものとされた。つまり、人力資源社会保障行政機関が企業遵法信義誠実等級評価を単独で行うことはなく、企業負担が別途増加されることはない。
評価業務における具体的な根拠は、次の通りである。
(1)企業内部の労働保障規則制度の制定状況
(2)労働者との労働契約締結の状況
(3)労務派遣規定の遵守にかかる状況
(4)児童労働者使用禁止規定の遵守にかかる状況
(5)女子従業員と未成年労働者の特殊労働保護規定の遵守にかかる状況
(6)勤務時間と休息休暇規定の遵守にかかる状況
(7)労働者への賃金支給と最低賃金基準履行にかかる状況
(8)各種社会保険の加入と社会保険料納付にかかる状況
(9)その他、労働保障にかかる法律、行政法規、規則制度の遵守にかかる状況
等級の区分
大部分の雇用者は、労働保障にかかる法律、行政法規、規則制度の規定を自覚的に遵守しているが、極少数の雇用者は労働保障にかかる法律、行政法規、規則制度に違反した行為を依然として行なっている。企業労働保障遵法信義誠実等級評価の主な目的は、企業に対して分類監督管理を実行し、労働保障監察の取締のポイントを確定することにある。「弁法」第7条では、企業労働保障遵法信義誠実等級をA級、B級、C級に分けている。その具体的な区分の基準は次の通りである。
・企業が労働保障にかかる法律、行政法規、規則制度を遵守しており、労働保障にかかる違法行為で調査を受け、処分されたことが無い場合、A級と評価する。
・企業が労働保障にかかる違法行為で調査を受け、処分されたものの、C級に組み入れる事由には該当しない場合、B級と評価する。
・「弁法」ではC級について以下の具体的な事由を挙げており、これらのうちの一つに該当する場合、C級と評価する。
1.労働保障にかかる違法行為のために3回以上調査を受け、処分された場合。
2.労働保障にかかる違法行為のために集団的事件、過激な事件を引き起こし、社会へ著しい悪影響を齎した場合。
3.児童労働者を使用したり、労働を強制する等、労働保障にかかる違法行為のために調査を受け、処分された場合。
4.労働保障監察機関が期限を定めた改善命令、行政処理決定、行政処分決定の履行を拒否した場合。
5.人力資源社会保障行政機関の実施する労働保障監察を理由なく拒否したり、妨害した場合。
6.労働保障にかかる違法行為のため刑事責任を追及された場合。
賞罰措施
「弁法」では、企業労働保障遵法信義誠実等級評価の結果に基づいて、日常の巡回検査の頻度を相応に増減する分類監督管理措置を定めている。
・A評価の企業に対しては、人力資源社会保障行政機関により、労働保障監察の日常巡回検査の頻度を適切に減少させる。
・B評価の企業に対しては、労働保障監察の日常巡回検査の頻度が適切に増加させられ、違法行為を速やかに是正するよう指示する。
・C評価の企業に対しては、労働保障監察の重点対象に組み入れ、その主な責任者、直接の責任者に対して人力資源社会保障行政機関が行政指導を行い、労働保障にかかる法律、行政法規、規則制度を遵守するよう勧告する。
また「弁法」では、人力資源社会保障行政機関が工商、金融、住宅都市農村建設、税務等の各機関や労働組合と信用情報の交換共有システムを構築し、企業の信用遵守に対して連動して奨励し、信用失墜に対して連動して懲戒処分を行うことを規定している。
作成日:2016年08月10日