最新法律動向

7月1日から施行される法令について

身分証の本籍地以外での受理が全面的にスタートし 江蘇省及び15の省と市で、本籍地以外での身分証の交換発行が可能に

江蘇省では、本籍地以外省と市の戸籍者の身分証にかかる交換発行、再発行業務を7月1日より全面的にスタートさせた。最初は、天津市、河北省、遼寧省、吉林省、上海市、浙江省、安徽省、福建省、江西省、山東省、河南省、湖南省、重慶市、四川省、陝西省という15の省と市が対象とされ、その他の省、自治区及び市についても順次実施するとしている。
全国の大・中規模都市及び条件を備える県や市において、身分証の本籍地以外における受理が行われるようになる。また、これまで蓄積されていた身分証の紛失にかかる再発行の情報が中国全土の身分証紛失届申請システムに随時取り込まれ、紛失したり、盗まれた身分証は適切に保管され、その情報が中国全土の身分証紛失受取りシステムに記録されるようになる。

ウェブ決済アカウントが実名でないものは、一部機能の利用が制限を受けることに
中国人民銀行が昨年末に公布した『銀行以外の決済機関によるウェブ決済業務についての管理弁法』(以下『弁法』という。)が7月1日から正式に発効した。『弁法』では決済アカウントの実名制にかかる下限ラインを定め、7月1日までに、各決済機関で実名率を95%に到達させるよう求めた。利用者の身元検証状況が『弁法』に所定の基準に満たない決済アカウントにおいては、一部機能が利用できなくなる。『弁法』では、個人のウェブ決済アカウントを3種類に分けてランク別管理を行うよう求めている。それぞれのアカウントの身分情報が揃っている度合いにより、決済機能と取引限度額に差が生じる。
このほか、『弁法』は、決済機関に完備された顧客クレーム処理、顧客損失の賠償金支払い等のシステムにおいて、カスタマーサービスのレベルアップを求めている。つまり、決済機関が顧客の個人情報を漏えいしたことにより、アカウント内の資金を盗まれ損失に至った場合、決済機関が損失及び責任を負担することになる。

生産の安全にかかる事故の緊急対応マニュアルがより真実かつ実用的なものに
新たに改訂された『生産の安全にかかる事故の緊急対応マニュアル管理弁法』が7月1日より施行され、長年にわたって残されてきた生産の安全にかかる事故の緊急対応マニュアルという難題に、回答が示されることになった。生産の安全にかかる事故の発生は、生命や財産への損失のみならず、死傷者及びその家族にも極めて大きな苦痛と災難をもたらし、国にとっても重大な損失と悪影響が及ぶことになる。『生産の安全にかかる事故の緊急対応マニュアル管理弁法』のこの度の改訂においては、主に次に挙げる3点が注目ポイントとなる。
1.予防を旨とし、事前の準備作業に重点を置いたこと
2.緊急対応マニュアルが形式的なものになりがちである問題を解決し、救急対応マニュアル管理を日常の管理業務の動体管理の中に組み込んだこと
3.対応マニュアルの作成は実務に沿って行うべきであり、真実かつ実用的なものであることの必要性を強調したこと

海外の番組著作権を取り入れたり、届出を行っていない番組は即刻放送中止に
国家新聞出版広電総局による関連要請により、7月1日から新たに放送を開始する海外の番組構成にかかる著作権を取り入れた番組について、通知の要請通りに届出していないか、事実通り届出を行っていないことが調査によって確認された番組は、その番組を即刻放送中止とし、そのチャンネルにおいて向こう1年間は海外の番組構成にかかる著作権を取り入れた番組を放送することを禁ずる。
この『テレビ番組の自主的なイノベーションの取り組みを大いに促進することに関する通知』と称する文書では、現在一部の番組制作会社が海外の番組構成の導入に過度な依存をしており、自社創作番組の割合が低く、優れた作品が少なく、原動力となる要素が不足しているため、テレビ番組の自主的なイノベーション、自主知的財産権を持ち中国文化の特色の見られる優れた番組の開発・生産を大いに推進する必要があり、特に夜間の時間帯の自主創作番組の放送割合を高めるよう注意する必要があることを指摘した。

通知では、衛星放送を行っている総合チャンネルで海外の番組構成にかかる著作権を取り入れた番組を放送するには、2ヶ月前までに省の新聞出版広電局に届出を行うよう要請している。海外の会社と共同で研究開発する番組で、中国側が完全な知識財産権を取得していないものは、海外の番組構成にかかる著作権を取り入れた番組管理とみなされる。また、各衛星放送の総合チャンネルで、19時30分から22時30分までの時間帯に放送開始する海外の番組構成にかかる著作権を取り入れた番組数は、1年間に2件を超えてはならないとした。

新聞出版統計に新たな管理弁法
国家新聞出版広電総局第9号総局令により、新たな『新聞出版統計管理弁法』(以下、『新弁法』という。)が2016年7月1日より施行され、原新聞出版総署、国家統計局が2005年2月7日に公布した『新聞出版統計管理弁法』は同時に廃止される。
『新弁法』は計6章41条からなり、主な改訂内容は以下の7点にわたる。
1.新聞出版統計に関する概念を制度化した。
2.統計機関の設置、統計担当者の配置、統計経費の保障についての要請をより明確にした。3.統計データの精度の保障を強化した。
4.統計資料の秘密保持管理を強化した。
5.関連機関についての表現を調整し、関連機関の職責についての要求を整備した。
6.統計業務の監督検査を強化した。
7.統計の違法行為の種類を増やし、違法行為の法的責任を重くした。
健康食品の登録届出が更に制度化されることに
中国消費者協会より公表された「健康食品に対する消費者認知度に関する調査報告書」によると、約7割の消費者が中国国内の健康食品市場に対し、全体的に「あまり満足していない」と評価し、中国国内の健康食品市場には虚偽、誇大広告、「健康食品」を名乗った偽装医薬品といった現象が少なくないと認識していることが判明した。『健康食品の登録及び届出にかかる管理弁法』では、健康食品の登録、届出についてより厳格な参入許可制度が実施され、健康食品の名称、説明書等について、より詳細にわたる監督管理システムが設けられる。

貨物コンテナを船舶運送に引き渡す前の計量を強制実施
コンテナの過積載や不適切な積載により、船舶において破損、断裂或いは沈没の事故が発生するのを防ぐため、今年7月1日より、貨物コンテナを船舶輸送に引き渡す前の計量を強制的に実施することとし、船舶の積付プラン作成時の使用に供することとした。要求通りに重量検証情報を提供しない貨物コンテナは船積みすることができない。この要求は、国際海事機関海上安全委員会で2015年に可決された『1974年国際海上人命安全条約』の第VI/2条修正案を根拠としている。当該修正案は2016年7月1日より強制発効される。

参入許可を取得していない海外の食糧の中国市場参入を禁止
『食糧の輸出入に対する検査検疫監督管理弁法』が2016年7月1日から正式に施行される。施行後は、参入許可を取得していない海外の食糧を中国市場に入れてはならず、リスク分析を行い、輸出国政府でリスクコントロール措置を施した食糧のみが、中国への輸送を許可される。輸出企業は自らの責任で中国向けに輸出する食糧が中国の品質要求を満たすよう手配しなければならない。新たに施行される当該「弁法」では、参入許可制度と検疫許可制度を通じて、根源からのリスクコントロールを行う狙いである。参入許可制度とは、参入許可を取得していない海外の食糧を中国市場に入れてはならず、リスク分析を行い、輸出国政府でリスクコントロール措置を施した食糧のみが、中国への輸送を許可されることを指しているが、これは即ち、輸出国政府に出所での管理責任を負担するよう要請するということである。一方、検疫許可では、中国へ参入許可を取得した食糧を輸送する前に、検疫許可の取得申請を行うことが必要とされ、輸出企業が中国に食糧を輸出するにあたり、中国の品質要求を満たす責任について明確化したものとなっている。

(新華ネットより)

 

作成日:2016年07月07日