人口及び出産計画法の改訂案の 要点及び企業への影響
政府は、『第13次5カ年計画に対する建議』において二人っ子政策の全面的な施行という方針を打ち出した後、12月21日から27日にかけて北京で開かれた第12期全国人民代表大会常務委員会第18回会議において、『人口及び計画出産法の改訂案』の初回審議を行いました。その案によれば、本改訂案を2016年1月1日より施行するとしています。以下は改訂案のポイント、ならびにそれが企業にもたらす影響について、簡単に説明いたします。
改訂案のポイント
中国の人口構造の現状を踏まえ、二人っ子政策の全面的且つ有効な施行にあわせ、本改訂案では、主に次の内容について改訂を行うものとなっています。本改訂案では、中国全土で二人っ子政策を全面的に実施し、一組の夫婦が2人の子を生むことを提唱すると明確に規定しています。同時に、二人っ子政策の全面的な実施という新たなスキームにより、政策上の要件を満たす夫婦は、出産休暇の延長又はその他の福利待遇を受けることができると規定されました。これに対応して、晩婚・晩産に伴う追加的な結婚休暇や、出産休暇の奨励政策、一人っ子政策関連の奨励政策といった、二人っ子政策の全面的な実施の徹底にそぐわない政策は廃止されることとなります。
企業への影響
今回の人民代表大会常務委員会会議で審議されたのは、『人口及び計画出産法の改訂案』にすぎず、現段階ではまだ正式な法律文書は発効していません。所管機関が各分野及び専門家の意見を聴取したうえで、改めて正式に有効な文書を公布することとなるため、企業におかれましては、なお引き続き事態の推移に注目していただく必要があるものと存じます。
このほか、有効な『人口及び計画出産法の改訂案』及び地方政府ごとの関連法規、政策が公布された後、企業でも、「就業規則」などの社内の規則制度についても相応の見直しを行い、現行の結婚休暇、出産休暇等の内容を、新たに改訂される法律法規に応じて適切に調整いただく必要があるものと存じます。
作成日:2015年12月31日