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28地域で最低賃金基準を引き上げ 昨年を大きく上回る

 中国新聞ネットが北京で12月11日付で報じたところによると、12月以降、吉林省、寧夏回族自治区、重慶市等の地域で、最低賃金基準の引き上げが相次いで発表されているとの事である。中国新聞ネットの記者による大まかな統計によれば、2015年に入ってから、少なくとも中国全土の28地域で最低賃金基準が引き上げられており、引き上げが行なわれた地域の数は昨年を大幅に上回っている。

  28の地域で最低賃金基準引き上げ

  12月に入り、吉林省、寧夏回族自治区、重慶市等の地域で、最低賃金基準の引き上げが発表された。これらの地域のうち、吉林省の第一級地区における最低賃金基準は月1,320元から月1,480元に調整された。寧夏回族自治区の一類区では、最低賃金基準が月1,300元から月1,480元に、重慶市の第一級地区では月1,250元から月1,500元にそれぞれ調整された。

中国新聞ネットの記者の大まかな統計によると、上記3地域における最低賃金基準の引き上げに伴い、2015年に入ってから、上海市、深セン市、北京市等28の地域で最低賃金基準の引き上げが発表されており、調整が行われていないのは遼寧省、河北省、青海省、江蘇省の4地域のみとなっているという。

調整後、深セン市、上海市では月最低賃金基準がそれぞれ2,030元、2,020元となり、最低賃金基準が2,000元の大台を突破した。なお時間あたりの最低賃金基準が最も高い地域は依然として北京市で、18.7元に達している。

引き上げを行う地域の数が昨年を大きく上回る

  今年に入っても、中国経済の下振れ懸念が依然として大きいにもかかわらず、最低賃金基準を引き上げる地域の数はむしろ大幅に増加しており、その数が昨年一年間の数字をはるかに上回っていることに、中国新聞ネットの記者は注目している。人力資源社会保障局のデータによると、2014年には、全国の19の地域において最低賃金基準が調整されている。

  中国人民大学財政金融学院の趙錫軍副院長が先に中国新聞ネットの記者に対して述べたところによると、経済の下振れ懸念が弱まらない現況において、最低賃金基準を引き上げる地域が却って増加しているという事実は、中国各地で国民所得等の生活指標がいっそう重視されるようになっていることを反映しているとのことである。

  趙副院長は「所得は国民生活の源であり、最低賃金基準の引き上げは低収入者の生活レベルの向上に貢献し、国内の需要と消費をある程度促進することになるだろう。」と話している。

2年以上にわたり調整を行っていない遼寧省

  『最低賃金規定』によると、各地域の最低賃金基準は、2年ごとに少なくとも1回は調整を行わなくてはならないとされている。記者は、調整を発表していない遼寧省、河北省、青海省、江蘇省の4地域のうち、遼寧省の最低賃金基準が2年以上にわたり調整されていないことに注目した。

  人力資源社会保障局のデータによると、遼寧省で前回最低賃金基準が調整されたのは2013年7月1日のことであり、最高レベルで月最低賃金基準を1,300元としている。

  河北省で前回最低賃金基準が調整されたのは2014年12月1日のことであり、青海省の前回調整は2014年5月1日に、江蘇省の前回調整は2014年11月1日に行われている。江蘇省では今年、適切な時期に適度な最低賃金基準の調整を、年の後半において行うという予定が発表された経緯があることは、指摘しておく必要があるだろう。

(中国新聞ネットより)

 

作成日:2015年12月16日