最新法律動向

2015年5月公布の重要法規解説

 

中華人民共和国食品安全法(改正)

中華人民共和国広告法(改正)

税収等の優遇政策に関連する事項に関する国務院の通知

 

一.中華人民共和国食品安全法(改正)

2015年4月24日公布 2015年10月1日施行

http://www.gov.cn/zhengce/2015-04/25/content_2853643.htm

 主な内容

(1)  改正後の新法は、全部で10章154条であり、改正前の「食品安全法」の全10章104条より50条増えている。

(2)  新法は、国が食品安全全過程遡及制度を確立するよう規定している。食品生産経営者は、この法律の規定により、食品安全遡及システムを確立し、食品の遡及可能性を保証しなければならない。(第42条)

(3)  新法は、問責制度、つまり、監督管理部門の責任者による面談制を設けている。     (第114条)

(4)  新法は、違法に場所を提供する行為についても、処罰を追加している。(第122条)

(5)  食品安全にかかる違法犯罪行為の刑事責任、行政責任、民事責任を加重している。つまり、食品安全にかかる犯罪により有期刑以上の刑罰を科された場合、一生涯、食品生産にかかる経営管理業務に従事してはならない。行政拘留処罰を増加している。一部の違法行為に対し大幅に罰金額を引き上げている。(第123条、第128条、第135条)

 今後の注意点

新法は、各地方が食品生産加工小工場及び食品露店にかかる具体的管理弁法を制定すべきことを要求している。また、新たに改正された立法法によると、法律の規定により国の機関が専門的事項につき組合せ規定を作成する場合には、法律の施行から1年内に規定を作成しなければならない。新法は今年10月1日に施行されるため、各省、自治区及び直轄市は必ず2016年10月1日までに小工場及び小露店に対する具体的管理弁法を作成しなければならない。(全154条)

 二.中華人民共和国広告法(改正)

2015年4月24日公布 2015年9月1日施行

http://www.gov.cn/zhengce/2015-04/25/content_2853642.htm

 主な内容

(1)  今回の広告法の改正により、改正前の49条から、改正後は75条となった。つまり、32条が追加され、6条が削除され、37条が改正された。

(2)  広告内容にかかる準則が充実化され、細分化された。健康食品、薬品、医療、医療機器、教育養成・訓練、企業誘致、不動産、農産物の種子等にかかる広告準則が改善された。(第8-27条)

(3)  虚偽広告の定義及び典型的形態が明確化された。(第28条)

(4)  イメージモデルの法的義務及び責任にかかる規定を追加している。スターが虚偽広告のイメージモデルを務める場合には、同様の連帯責任を負う。(第2条、第38条、第56条)

(5)  タバコの広告を厳格にコントロールし、すべての大衆メディア及び公共の場におけるタバコの広告を禁止する。(第22条)

(6)  未成年者にかかる広告管理に関する規定を追加している。(第22条、第40条)

(7)  インターネット広告に関する規定を追加している。(第19条、第63条)

(8) マスメディア広告に対する監督・管理程度を強化している。広告を発表するメディア

及びプラットフォームに対し厳格に規定をし、かつ、処罰程度も拡大している。(第45条)

(9) 公共広告を増やし、広告法による調整範囲を拡大する。(第74条)

 今後の注意点

改正後の広告法では、罰金金額はより一層引き上げられており、例えば従前メディアによる広告、広告主による広告には広告費用の1から5倍の罰金を科していたが、新法では3から5倍となっており、これも違法広告への抑止効果を強化するためである。(全75条)

三.税収等の優遇政策に関連する事項に関する国務院の通知

2015年5月10日公布  2015年5月10日施行

http://www.gov.cn/zhengce/content/2015-05/11/content_9725.htm

主な内容

(1) 国が統一して制定した税収等の優遇政策について、項目ごとに確実化する。(第1条) (2) 各地区、各部門がすでに公布した優遇政策について、期限の定めがある場合には、規

定の期限に従い執行する。期限の定めがない場合において、確実に調整の必要があるときは、地方政府及び関連部門がテンポ良く、かつ穏当であるという原則に従い過渡期を設定し、過渡期内に継続して執行する。(第2条)

(3) 各地方と企業がすでに締結している契約における優遇政策は、引き続き有効である。

すでに実現した部分については、遡及しない。(第3条)

(4) 各地区、各部門が今後新たな優遇政策を制定・公布する場合には、すでに法律、行政

法規に規定されている場合を除き、税収又は中央による承認を得て設定する非税収入にかかわるときは、国務院に報告して承認を得た後に執行しなければならない。それ以外については地方政府及び関連する部門が承認した後に執行し、その内、支出の手配については通常、企業が納付する税収又は非税収入と関連があってはならない。

(第4条)

 今後の注意点

『税収等の優遇政策にかかる整理及び規範化に関する国務院の通知』(国発〔2014〕62号)所定の整理業務にかかる専門的事項については、今後別途手配し、実行する。

(全5条)

 

作成日:2015年06月15日