虚偽広告が取り締まりをものともしない理由
中国国家工商総局より、懐化長懐医院の医療広告等4項目のパイドゥ信用・名誉Vシリーズの中の商業PRが著しく違法な広告であると発表された。しかし、この原稿が掲載されている今日でさえ、この違法広告を検索することが可能である。ネット上で医薬品、健康食品等の虚偽広告を見ることは珍しくない。ネット上の虚偽広告は取り締まりをしても、なぜ無くならないのだろうか。また、どのように取り締まれば事態が改善されるのだろうか。
2013年12月までに、中国のネットユーザーの規模は6.18億人となった。毎年、新たなネットユーザーが5,358万人ずつ増加している。インターネットの普及率は45.8%で、中国は名実ともにネット大国となった。インターネットビジネスにかかわる企業の責任は重大であり、ネットユーザーにより良いサービスを提供し、ネットユーザーが騙されないようにしなければならない。間違っても欲に目がくらんで道義を忘れ、悪人を助けて悪事を働き、ネットユーザーの利益を犠牲にして経済的な利益を謀ってはならないのである。
インターネット時代の今日、多くの人々は健康のため、ネットを利用して医薬品や健康食品の広告を探すことが多い。これは正規のメーカーにビジネスチャンスを提供するものであるが、実際には、偽薬や偽健康食品会社が大手を振って跋扈しているため、人々はそれに目を奪われてしまい、急病のために焦って薬を探す人が、まんまとその術中にはまってしまうのである。経済的に困難な家庭は更に深刻な事態に直面することになってしまう。このような不正常な現象が起きる一つの重要な原因は、ネットユーザーが情報を得るルートとして検索エンジンを使用していることにある。一部の不良な薬品や健康食品のメーカーは、広告掲載料を支払いさえずれば、人目を憚ることなく虚偽広告を大いにひけらかすことができるようになっている。しかも虚偽広告を掲載するという違法行為のコストは高くない。高額な利益に比べて虚偽広告の掲載にかかるコストは安価であることから、多くの虚偽広告掲載者はイチかバチかの危ない橋を渡ろうとするのである。
ネットでの虚偽広告掲載に対する監督管理機関の対策として、国家工商総局、中央宣伝部、公安部等の13機関と委員会は去年連名で『2013年虚偽違法広告を特化とした自浄業務の実施にかかる意見』を公布した。この中で、大型ポータルサイト、検索ウェブサイトおよび医薬品ウェブサイトの広告に対する監督管理を強化し、速やかに虚偽の違法広告を調査し、処分することを明確に示した。業界の自主的な取り組みとしては、2012年11月にパイドゥ、360、テンセント等インターネット検索エンジンサービス企業12社が『インターネット検索エンジンサービス自己規制規約』に署名した。その趣旨は、インターネット検索エンジンサービスを制度化し、ネットユーザーの合法的な権利を保護することにあった。
しかし、ネット上から虚偽広告を一掃することは難しかった。大声で撲滅を叫んだものの、効果は無かった。対策を講じたものの、効果はあがらず、監督管理機関からの警告も恐れず、世論からの非難にも動じなかった。その原因は簡単である。虚偽広告は、広告掲載料を払いさえすれば、掲載の許可が容易に下りてしまうからである。国家工商総局が極めて違法な広告と発表しているにも関わらず、当該広告を検索することができ、利用者をミスリードし、特に識別能力の低い低所得者層をミスリードしている。国家工商総局の発表を無視していいのであれば、業界の自主規制規約にも当然拘束力はないだろう。
ネット上の虚偽広告は難病のように、克服が難しい。しかし実際には、長期間やりたい放題やってきたことに対する代償を支払うことは避けられないだろう。虚偽広告が存在するとしても、ネットユーザーが識別・判断する能力を養えば、こうした虚偽広告に騙される者も少なくなるだろう。また、虚偽広告の掲載連鎖に気が付けば、虚偽広告を掲載しているウェブサイトの信用度も影響を受けるだろう。こうなってこそ、この問題が重視されるようになる。もちろん、多くの公益訴訟がこれに介入してくれば、ネットで虚偽広告を掲載して利益を得ようとする者もあきらめるだろう。
ネット時代において、ネット業者はユーザーの知恵と感情に逆らわず、自らを大切にし、口先だけではなく行動を伴ってこそ、ユーザーから信頼が得られるのではないだろうか。
(斉魯ネットより)
作成日:2014年05月16日