工商登記改革の効果明らか-企業の増加幅は20%から500%へ-
国務院機構改革の重要な項目の一つとして、工商登記制度改革が急速に行われつつある。本日(11月7日)午前、国家工商行政管理総局の張茅局長は国務院新聞弁公室主催の記者会見において、登録資本登記制度改革の最新の状況を説明した。深圳、珠海での改革が行われてから、企業の新設数はそれぞれ同期比で98.51%と52.61%の伸びとなった。東莞と順徳で改革が行われてからは、企業の新設数は同期比の20%以上の伸びとなった。この他、最近上海自由貿易区でも改革を行い、「1枚の申請書で申請、1つの窓口で受理」という業務システムを実行したことにより、企業の新設数は去年同期比で5倍近くの伸びを示した。
この説明によれば、深圳と珠海は経済特区であるため、特区の立法権を頼みとして、工商登記制度に対する立て直しを行った。東莞と順徳は地方政府の書類制度改革により、国の現行の法律の枠組みのもとで最大の改革効果を発揮するよう努力している。
上海自由貿易区は、今年9月末より改革地区に指定されて以来、「1枚の申請書で申請、1つの窓口で受理」という業務システムを実行している。工商機関は3業務日にて営業許可証の審査・発給を行い、品質監督、税務機関は営業許可証が審査・発給された後1業務日以内に組織機構コード証、税務登記証を審査・発給する。企業は全ての手続きを完了するのに合計4業務日で済むようになった。これは当該区以外と比べて6から9業務日短縮されたことになる。外資系企業の場合には合計9業務日必要となるが、当該区以外と比べて1ヶ月以上の時間が短縮されることになる。これまで上海自由貿易区に新設された企業は444社に上っているという。
張局長は、上海自由貿易区での業務は、登録資本登記制度改革推進のために得がたい経験を積むこととなり、この改革が営業経営環境の改善に有効であり、市場原理の機能を充分に発揮し、市場の自主的な発展を刺激するための新たな活力となり、経済発展の活発化を促すことを証明していると述べた。各地でも登録登記の簡素化を積極的に推進し、中国全土の市場の速やかな成長を促進し、今年Q3の景気回復に重要な役割をもたらしたとしている。また、張局長は、登録資本登記制度改革の推進には、敏捷で効率が高く、制度が統一化され、参入し易く厳格に管理し、会社登記制度を改め、参入基準を引き下げ、市場の責任能力を強化し、誠実、信用、公平、秩序のある市場を促進する事が必要であると述べている。
今回の改革には主に5つ内容が含まれている。一つは、登録資本条件の緩和である。法律法規に別途規定のある場合を除き、有限責任公司の最低登録資本は3万元、一人有限責任公司の最低登録資本は10万元、股份有限公司の最低登録資本は500万元以上という制限を取り消した。また会社設立時の株主(発起人)の初回の出資金の割合と出資金支払い期限に関する制限も撤廃された。会社の実收資本は工商登記事項から外された。
二つ目は、企業年度検査制度から年度報告制度への改革である。如何なる事業者および個人でも調査・問い合わせが可能とし、企業の関連情報を透明化した。公平で制度化された抜き打ち検査制度を制定し、恣意的な検査を改め、政府による管理の公平性と効率を高めた。
三つ目は、登録の便宜を図ることと制度化された秩序を保つという原則に基づいて、企業所在地(経営場所)の登記条件を緩和し、地方政府が具体的に定めることができるとした。
四つ目は、企業の誠実・信用制度の構築の推進である。情報公開と共有化等の手段の運用を重視し、企業の登記届出、年度報告、資質資格等を市場の信用情報システムを通じて公開するようにした。電子営業許可書と全プロセス電子化登記管理を推進し、ペーパーの営業許可証と同等の法的効力を持つようにした。信用・約束のシステムを完備し、規則違反行為を行った企業を経営に問題がある「ブラックリスト」に入れ、社会に公開し、「一度規則違反を行ったら、様々な場所で制限を受ける」こととし、企業の「信用失墜コスト」を高めることとした。
最後は、登録資本を実際納付登記制から、払込登記制に改め、会社設立コストを低下させた。速やかに関連する法律法規を整備した上で、,会社株主(発起人)が自ら払込出資額、出資方法、出資期限等を約定し、出資納付状況の真実性、適法性に責任を負う制度を実行することとした。
(法制ネットより)
作成日:2013年11月13日