外国人被告人が出廷しない場合でも法に基づいて欠席裁判
最近、アモイ市湖里区の裁判所は、操作上の誤りにより他人の口座に振り込んだため相手側が不当な利益を得たという訴訟に関して、相手側は国外にいることを理由として返金しないばかりか、出廷さえもしないことについて、被告欠席のまま審理を行い、判決を下した。
2011年2月23日午後、原告の洪建新氏は、中国農業銀行ネットバンキングシステムを通じて商品代金を支払ったつもりであったが、その529,796元はベトナム国籍の被告裴光潮氏(中文名)の農業銀行デビットカード口座に振り込まれてしまった。事後、原告は直ちに被告と連絡を取った。被告は当該金額の振込を確認したものの、中国へ出向いて返金手続きを行えないことを理由として、当該代金の返金を拒否した。
原告は、被告が非合法に取得した不当な利益により、原告へ損失をもたらしているとして、法に基づいて全ての金額を返金し、なお且つ訴訟提起の日から実際に返金される日迄の銀行の同期の貸付利率に基づいて利息を計算して支払うべきであると考えた。被告は法に基づく法廷への召喚に応じて出廷せず、如何なる答弁も行わなかった。
■審理の経過■
湖里区の裁判所は、審理において被告が裁判所から召喚されたにも関わらず正当な理由なく出廷しなかったため、自ら抗弁権を放棄したものと考えた。中国法によれば、適法な根拠なく不当な利益を得て、他人に損失をもたらした場合、当該不当利益は損失を被った者に返金しなければならないと規定されている。
本案において、原告は自らの原因により、529,796元を被告の銀行口座に振り込んでしまった。しかし被告は原告からの訴求に対して答弁を行わず、当該金額の取得が合法的であることの証拠、法的根拠を示さなかった。故に被告が上記の529,796元を占有した行為は不当利益を構成するといえる。
原告が被告に不当利益529,796元および訴訟提起の日2011年3月29日から銀行の同期の貸付利率に基づいて利息を計算して支払う事を要求することについて、裁判所は適法で根拠があり、これを支持すべきであると考えた。被告は裁判所からの合法的な召喚に対し、正当な理由なく出廷しなかったため、当裁判所は法に基づいて被告欠席で審理を行った。
審理の結果、中国の民法通則第92条、民事訴訟法第144条に基づき、裁判所は被告に対し原告へ不当利益529,796元および利息(中国人民銀行の同期同種類の貸付利率に基づき2011年3月29日から本判決により決定した返金の日迄)の支払いを命ずる判決を下した。被告が本判決の指定する期間に金銭支払義務を履行しない場合、民事訴訟法第253条の規定に基づいて、履行を遅延した期間の債務利息を倍増して支払わなければならないとした。
(法制ネットより)
作成日:2013年10月24日