最新法律動向

人社部、養老保険積立基金の投資方法を研究

 今年、中国の企業定年退職者の基本養老金(日本の年金に相当)は再び10%上昇する。人力資源・社会保障部(人社部)は、連続7年企業定年退職者の基本養老金レベルを上方修正した後、現在の中国全土の一人当たり平均養老金は既に月1,531元のレベルに達したと発表した。北京の企業定年退職者の養老金は、月平均2,280元から2,510元に上方調整され、その上昇幅は史上最高値に達した。

企業の定年退職者の養老金は10%上昇
 
先頃、中国が連続7年企業の定年退職者の基本養老金レベルを調整した結果、中国全土の月一人当たり平均の養老金は1,531元のレベルに達したとのことである。人社部は、今年も中国は引き続き企業の定年退職者の基本養老金のレベルを高めていくと発表した。1月1日より、去年12月31日迄に定年退職の手続きを行い、なお且つ月ごとに基本養老金を受領している企業の定年退職者の基本養老金のレベルを向上させていくという。

 今回の調整では、昨年の物価上昇及び従業員賃金レベルの上昇等の状況を総合的に考慮し、昨年の企業退職者の一人当たり平均基本養老金の10%前後を基準に調整レベルを確定し、なお且つ高い肩書を有する企業の定年退職科学技術者、高齢者等に対し適切にレベルを調整していくとのことである。

 各レベルの人力資源社会保障部門、財政部門は、これを近日中に実施し、出来る限り早く追加の基本養老金を企業定年退職者の手元に届ける予定である。去年末までに2.8億人が都市従業員基本養老保険に加入し、養老保険の累計残高は1.92兆元に上っている。去年、中国全土で基本養老保険を省を跨いで他省へ移転した人員は、のべ78万人に及んだ。

養老金の上昇幅はCPI(消費者物価指数)を超える
 
専門家によれば、中国はここ数年連続で企業定年退職者の基本養老金レベルを上昇させており、これは一方では中国の国力が高まり、これを支える実力を有するようになったことを示すものとなっている。他方では中国が前世期90年代後記になって漸く企業従業員基本養老保険制度を全面的に推進して、その前期においては企業定年退職者の基本養老金レベルは高くはなく、その歴史的な負債も少なくなかったことも示している。

 最近の中国の物価上昇率は高く、多くの企業定年退職者の基本養老金レベルも、まだ低いレベルにあるという。これに加えて政府はより多くの人々に中国の改革開放発展の成果を享受させたいと望んでいる等多くの理由により、中国の企業退職者の基本養老金が毎年上昇することが促されているという。

 この専門家によれば、中国政府及び関連部門は益々国民生活の問題を重視しており、これが企業定年退職者の基本養老金レベルを毎年上昇させることに有益な基礎となっているという。養老保険の支払い圧力は、5つの社会保険の中でも最大のものであるが、2000年以降、中国は企業定年退職者の基本養老金の給付を確保する政策を実施した。国家財政は中西部地区の收支の弱点に特定項目補助を実施しているばかりでなく、国家財政補助額も年々上昇しており、その上方幅も少なくない。昨年、国家財政を中西部の養老保険に振り向けた支出総額だけでも1,846億元に達しており、2010年も1,560億に達している。これも、中国が現在企業定年退職者の為に普遍的に基本養老金レベルを上昇させて、充分な財力を有していることを側面から示すものと言える。また、長年中国の企業養老金の上昇レベルは終始高く、CPIの上昇を超えており、定年退職従業員の基本的な購買力を保証していると述べている。

北京の上昇幅は、史上最高レベルに達する可能性
 
北京市人社局は、人社部、財政部の企業定年退職者の基本養老金に関する意見に基づいて、北京市は今年1月に再度企業定年退職者の基本養老待遇基準を引き上げると表明した。現在具体的な調整案は既に北京市委員会常務委員会で討論の末に可決され、月一人当たり平均2,280元を2,510元に調整し、230元上方調整する計画であり、その上昇幅は史上最高を記録する可能性があるとのことである。しかし、具体案は、各種対象に対する異なる調整方法及び政策が重点を置いている方法等を含め、人社部、財政部が承認した後、正式に社会へ公布されるのを待たなければならないとされている。

養老基金は投資ルートを模索
 
昨日、人社部の尹成基報道官は、養老金は今のところ上場計画は行わず、養老金の投資運営措置は、必ず人社部の審査を経て同意されなければならないと述べた。ある省では、養老金を社会保険基金理事会に委託して投資運営させるとの報道があった。これについて、報道官は、現行の規定では、養老基金は銀行に預けるか国債を購入することしかできないと述べた。社会保険法によれば、社会保険は安全が保証される前提の下で、国務院の規定に基づいて投資運営を行い価値を保ちながら価値を高めることを実現すると規定されている。2011年末の時点で、5種類の社会保険基金の累計残高総額は2.87兆元であり、うち養老保険の累計残高は1.92兆元であるという。尹報道官は、今後新たな投資運営ルートを開拓し、研究した後、弁法の中で明確にするものの、全体としての原則は、基金の安全を確保しつつ、基金の価値を保ちながら価値を高めることを実現すると述べた。

(京華時報より)

作成日:2012年02月13日