最新法律動向

出産休暇の新政策で女子従業員の負担増か

 国務院法制弁公室は、出産休暇を90日から14週に拡大し、人工中絶した場合も2週間以上の出産休暇を与え、初めて民間企業を法に組み込むとの提案を趣旨とする『女子従業員特殊労働保護条例(意見聴取稿)』(以下「意見稿」という。)を発表した。しかし、「意見稿」の発表は、女性及び家庭からの支持を受けるものではなく、多くの人々から疑問が寄せられている。

 初めて民間企業も法に組み込む

 現行の『女子従業員労働保護規定』と比べると、「意見稿」には2つの相違点が見られる。1つは、女子従業員に従事させてはならない労働の範囲を以前の様な杓子定規なものではなく、より柔軟なものとしたこと。これは今後、条件に基づいて女子従業員に従事させてはならない労働の範囲を調整する際に有効であり、女子従業員の健康にとって有利である。もう1つ重要なことは、過去の規定には民間企業についての規定は無かったが、今回の「意見稿」では、これも明確に法へ組み込み、公平な待遇という原則を実現したことである。

 「意見稿」は、女子従業員が出産する場合、14週間以上の出産休暇を取得することが可能であるとし、なお且つ流産休暇期間を細分化し、女子従業員が妊娠4ヶ月未満で流産した場合、2週間以上の出産休暇を与え、妊娠4ヶ月以上で流産した場合、6週間以上の出産休暇を与えると規定した。また、『企業従業員出産保険試行弁法』を参考として、女子従業員の出産又は流産について、既に事業者が出産保険に加入している場合、出産保険基金より、事業者の前年度の従業員月平均賃金基準に基づいて、女子従業員へ出産手当を支給し、事業者が出産保険に未加入の場合、事業者より女子従業員の出産又は流産前の賃金基準に基づいて支給すると規定した。 民間企業を含む全ての企業は、規定に基づいて取り扱う必要がある。

 更に「意見稿」は、条例の着実な実施を保証するため、以下のように規定している。事業者が本条例の規定に違反した場合、安全生産監督管理部門、衛生行政部門、人力資源社会保障行政部門は、各自の職責に基づいて期限付きで改善命令を下し、『労働保障監察条例』の関連規定に基づいて罰金処分とするか、この件に直接の責任を負う管理者及びその他直接責任を負う人員に対し法に基づいて処分を下す。

 晩婚・高齢出産休暇の期間は却って減少することに

 「意見稿」が発表されると、プレママの王さんは、以下のような感想を述べた。「私は、母乳で子供を育てる予定だったので、出産休暇が延長される望みが出てきたというニュースを聞いて、これが一日も早く実現されることを望んでいます。もし自分も、この恩恵に与えられることができれば、より長く親子の時間を持つことが可能となります。働く女性にとって、間違いなく多くの恩恵を与えるべきです。」

 しかし、目敏い人々は、以前の規定では出産休暇90日以外にも、これを基礎として30日の高齢出産休暇と15日の難産休暇も規定されていたけれども、新らたに発表された「意見稿」からは、これらの規定が無くなってしまったことを同時に発見した。「出産休暇が8日追加されたというけれども、元々の高齢出産休暇、難産休暇も引き続き取得することは可能なのでしょうか。」と、多くの母親とプレママからも同様の疑問が出されている。

 もし、高齢出産休暇と難産休暇が無くなったとしたら、高齢出産の女子労働者にとっては実質的な休暇は減少したことになる。この問題について、インターネット上での議論が白熱している。一部の者は、晩婚・高齢出産は、かつては少数者の行為であったため、政府は高齢出産を奨励していたという。しかし、現在では、多くの女子従業員は30歳前後で子供を産んでいる。24歳を晩婚・高齢出産としていては、大部分の者が晩婚・高齢出産ということになる。実際に、新らたな規定を見ると、これらの条項は消えている。つまり、晩婚・高齢出産は、今後は優遇されないこととなる。

(工人日報より)

作成日:2011年12月16日