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法定休日の2日増加に伴う給与計算の変化 -NEW-

2024年11月12日、『国務院による「全国年間祝日及び記念日休日弁法」の改正に関する決定』が発表され、2025年から法定休日が2日増加することとなりました。法定休日が11日から13日に増加したことにより、従業員の勤務時間や給与、残業代などの計算がどう変化するかという問題に多くの企業や労働者が関心を寄せています。今回は各日系企業や人事担当者の皆様の参考となるポイントを解説いたします。

1.勤務時間の変化
法定休日が2日増加したことに伴い、従業員の年間、四半期、月間の平均勤務時間は以下のように変化します。
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上記表の通り、法定休日が2日増加すると、従業員の年間勤務時間は2,000時間から1,984時間に、月平均勤務日は20.83日から20.67日に、年間勤務日数は250日から248日に減少します。

2.給与計算にはどのような変化があるか
(1)日給、時間給の計算規則に変化はない

『労働法』第51条では、従業員の法定休日期間について、雇用主が法律に従い賃金を支払わなければならないと規定されていますが、これは日給と時間給を換算する際、法定休日は除外されないことを意味しています。そのため、今回の法定休日増加は月給計算日数には影響を与えず、日給及び時間給の計算にも影響を与えないことになります。
従業員の日給、時間給換算規則は以下の通りとなります。
① 日給:月給収入÷月給日数
② 時給:月給収入÷(月給日数×8時間)
③ 月給計算日数:(365日-104日)÷12カ月=21.75日

(2)残業代の計算は影響を受ける可能性がある
一般的に、残業代の計算規則は労働時間制度の違いにより異なります。今回の法定休日の増加は残業日数や給与などに影響を与えます。
法改正前、旧正月大晦日は平日扱いであり、5月2日は一般休日扱いでした。今回この2日間が法定休日となったため、企業が従業員をこの2日間に勤務させる場合、残業代に対する適用規則が変化することになります。
例えば、標準労働時間制の従業員を5月2日に勤務させた場合、これまでは2倍の賃金を支払うか振替休暇を与えることができましたが、当該日が法定休日になったため、企業は残業代として日給若しくは時給の3倍を従業員に支払う必要があり、振替休暇を残業代の代わりとすることはできなくなりました。

◆日系企業の皆様へのアドバイス
今回、法定休日が2日追加されたことにより、異なる労働時間制度や、出来高払制を採用している従業員の賃金及び残業代の計算に影響が生じます。また、不定時労働時間制を採用している従業員に対して法定休日に残業代を支払うかどうかは、省によって規定が異なります。そのため、各現地日系企業は所在地域の特別規定に従い、従業員の賃金と残業代の支払い基準や残業代の計算基数を正確に分析・判断し、現地弁護士と共にコンプライアンスに基づく制度及び労働契約の約定を検討するなどして、労使紛争の発生を可能な限り回避することをお勧めします。

作成日:2025年01月03日