企業における労務処理

速報!法定定年退職年齢の延長に関する弁法が審議可決

2024年9月13日、第14期全国人民代表大会常務委員会第11回会議における審議・採決で、全国人民代表大会常務委員会の漸進式による法定定年年齢延長実施に関する決定が可決され、2025年1月1日から施行される『漸進的な法定定年延長に関する国務院による弁法』(以下、当該『弁法』という。)を承認しました。
当該『弁法』では、男性従業員の法定定年退職年齢は60歳から63歳に、女性労働者は50歳から55歳に、女性幹部(管理職)は55歳から58歳にそれぞれ徐々に延長するとしました。
以下に、今回の決定と当該『弁法』の全文を各企業及び個人の皆様に参考として供します。また、今回の決定や当該『弁法』の内容については、別途起草した文章にて解説いたします。

法定定年退職の漸進式延長実施に関する全国人民代表大会常務委員会による決定

(2024年9月13日第14期全国人民代表大会常務委員会第11回会議にて採択)

法定定年の漸進式延長に関する党中央の政策決定·配置を深く貫徹·実行し、我が国の人口発展の新たな情勢に適応して、人的資源を十分に開発·利用するため、憲法に基づき、第14期全国人民代表大会常務委員会第11回会議において次のように決定した。

一、男性従業員及び女性従業員の法定定年退職年齢の延長を同時に開始し、段階的に15年の期間をかけて男性従業員の法定定年退職年齢を従来の60歳から満63歳に延期し、女性従業員の法定定年退職年齢を従来の50歳、55歳から満55歳、満58歳にそれぞれ延期する。

二、漸進式な法定定年退職年齢延長を実施し、小刻みなステップ調整、弾力的な実施、分類による推進、統一的計画と配慮の原則を堅持する。

三、各級人民政府は人口高齢化に積極的に対応し、労働者の就業·創業を奨励·支持し、労働者の権益を確実に保障し、養老·保育などの関連業務を協調的に推進する。

四、『法定定年退職年齢の漸進式延長に関する国務院による弁法』を批准する。国務院は実際の状況に応じ、本弁法の実行に対し補充と細分化を進めることができる。

五、本決定は2025年1月1日から施行する。第5期全国人民代表大会常務委員会第2回会議で承認された『老齢・虚弱・病気・後遺障害幹部の配置に関する国務院による暫定施行弁法』及び『労働者の定年退職及び退職に関する国務院による暫定施行弁法』の定年退職に関する規定は今後実施しない。

法定定年退職年齢の漸進式延長に関する国務院による弁法

新時代における中国特色のある社会主義思想の指導を堅持し、党の第20回全国代表大会及び第20期中央委員会第2回、第3回全体会議の精神を深く貫徹し、我が国の一人当たりの予想寿命、健康レベル、人口構造、国民が受ける教育程度、労働力供給などの要素を総合的に考慮し、小刻みなステップ調整、弾力的な実施、分類による推進、統一的計画と配慮の原則に基づき、法定定年退職年齢の漸進式な延長を実施する。この政策のより良く行うため、本弁法を制定する。

第1条 2025年1月1日から、男性従業員と従来の法定定年退職年齢が55歳の女性従業員は、法定定年退職年齢を4カ月ごとに1カ月延長し、それぞれ満63歳と満58歳へと段階的に延長する。従来の法定定年が50歳の女性従業員は、法定定年退職年齢を2カ月ごとに1カ月延長し、満55歳へと段階的に延長する。国に別段の定めがある場合は、その規定に従う。

第2条 2030年1月1日から、従業員が毎月基本年金を受け取る最低納付年限を15年から20年に段階的に引き上げ、毎年6カ月引き上げる。従業員が法定定年退職年齢に達しているが最低納付年限に満たない場合は、規定に従い納付の延長若しくは一括納付の方法により最低納付年限に達することで、月ごとに基本年金を受け取ることをできるようにする。

第3条 従業員が最低納付年限に達した場合、自主的に早期退職を弾力的に選択することができ、繰り上げ期間は最長3年を超えず、且つ退職年齢は女性従業員の満50歳、満55歳及び男性従業員の満60歳の元の法定定年退職年齢を下回ってはならない。従業員が法定定年退職年齢に達し、所在単位と従業員が協議により合意致した場合、弾力的に退職を遅らせることができ、延長期間は最長3年を超えない。国に別段の定めがある場合は、その規定に従う。実施にあたっては、従業員の意思に背く違法な強制、若しくは形態を変えた従業員に対する退職年齢選択の強制があってはならない。

第4条 国は養老保険奨励メカニズムを健全化する。従業員の納付が長いほど多く得る、納付が多いほど多く得る、また退職が遅いほど多く得ることを奨励する。基礎養老金の計算·支給比率は個人の累計納付年限と連動し、基礎養老金の計算·支給基数は個人の実際の納付額と連動し、個人口座年金は個人の退職年齢、個人口座の預金額などの要素に基づき確定する。

第5条 国は雇用優先戦略を実施し、質の高い充分な雇用を促進する。就業公共サービス体系を完備し、終身職業技能訓練制度を健全化する。青年の就業·創業を支持し、高齢労働者の就業ポスト開発を強化し、就業困難人員の就業援助制度を完備する。就業年齢差別に対する防止と対策を強化し、雇用単位がより多くの高齢労働者の就業を受け入れることを奨励する。

第6条 雇用単位が法定定年年齢を超える労働者を雇用する場合は、労働者の労働報酬、休息休暇、労働安全衛生、労災保障等基本的権益の獲得を保障しなければならない。

国は柔軟就業と新しい就業形態の労働者の権益保障を強化する。

国は有給休暇制度を完備する。

第7条 失業保険金を受給し且つ法定定年退職年齢から1年未満の人員に対し、失業保険金の受給上限を法定定年退職年齢まで延長し、漸進式による法定定年退職年齢延長までの期間において、失業保険基金が規定に基づき養老保険料を納付する。

第8条 国は特殊な職種などの早期退職政策を規範的に整備する。坑内、高所、高温、特に重い肉体労働など、国が規定する特殊職種、および標高の高い地域で働く従業員は、条件に合致する場合は早期退職を申請することができる。

第9条 国は在宅と社区機構が協調し、医養と康養を結合した養老サービス体系を構築し、包摂託児サービス体系の発展に力を入れる。

添付:
1.男性従業員の法定定年退職年齢延長対照表
2.従来法定定年退職年齢55歳の女性従業員の法定定年退職年齢延長対照表
3.従来法定定年退職年齢50歳の女性従業員の法定定年退職年齢延長対照表
4.最低納付年限の引き上げ状況表

男性従業員の法定定年退職年齢延長対照表
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従来法定定年退職年齢55歳の女性従業員の法定定年退職年齢延長対照表
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従来法定定年退職年齢50歳の女性従業員の法定定年退職年齢延長対照表
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最低納付年限の引き上げ状況表
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作成日:2024年09月14日