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新型コロナ管理方法分類変更後に陽性となった従業員への賃金支給について

   これまで、新型コロナを「乙類を甲類として管理」する政策実行時には、従業員が陽性になった場合、在宅隔離期間中も原則通常通り賃金を支給する必要がありました。では、2023年1月8日から、新型コロナを「乙類を乙類として管理」するよう管理方法分類が変更された後は、陽性となった従業員の賃金をどのように支給すべきでしょうか。また、休暇を申請する従業員は、病院発行の病気休暇証明書を提出する必要があるのでしょうか。最近、幾つかの日系企業からのこうした質問を受け、今回この点を簡単に説明いたしますので、ご参考いただければ幸いです。

1.疫学分類変更後の陽性者の賃金をどのように支給すべきか
   新型コロナを「乙類を乙類として管理」する政策が実行されたことにより、陽性者の賃金支給方法は、状況に応じて処理する必要があります。
(1)従業員が治療のため欠勤する場合は病気休暇として処理
   従業員が陽性になった場合の治療期間賃金支給について、国家基準の規定は公布されていません。ただし実務現行上は、従業員が陽性になった場合、「就業規則」規定の手順で休暇申請を行った後、企業が従業員に病気休暇として賃金を支給するのがセオリーとなっています。
(2)従業員が在宅勤務している場合、通常通りの賃金支給が必要
   2022年12月27日、最高人民法院は『雇用安定のための司法サービスと保障の提供に関する意見』(法発〔2022〕36号)を公布しました。その第11条では、企業が従業員に在宅勤務やフレキシブル勤務等を手配し、正常な労働が提供されている場合、通常通りの基準で賃金を支給する必要があると規定されました。

2.陽性者が休暇を申請する場合、病気休暇証明書提出が必要か
   新型コロナの管理方法分類変更後の陽性者が、業務を停止しての治療を要し、欠勤する必要がある場合に限り、病気休暇を取得し、医療期間として扱うことができます。しかし業務を停止しての治療、欠勤する必要があるかどうかは、厳格な医学的根拠により、医療機関が発行した診断証明と休暇建議書が必要となります。企業は、実際の状況に基づき、従業員の病気休暇申請を認めるかどうかを決定します。

◆日系企業へのアドバイス
   春節に帰省する従業員らが、その道中で新型コロナに感染する確率が高くなることから、企業は従業員各自に感染防止対策を促すことが必要です。従業員が職場に戻ってからは、マスクの着用を求め、従業員間での大規模な二次感染発生を防ぎ、生産上影響が及ばないよう努めることができます。
   また、地域によって病気休暇の賃金支給基準には差異があり、政策実行の状況も異なるため、企業は、現地の政策に基づき、労働局や公会などの政府機関と交渉し、労働組合や従業員とも話し合うことにより、陽性と診断(PCR検査で陽性など)後の治療期間中の賃金支給基準や休暇申請手続きに提出する書類等の内容を明確に規定し、書面でを文書を作成なさることをお勧めします。

作成日:2023年01月18日