食品添加物管理が更に強化
食の安全は、国民や市場監督管理局などの政府部門にとって、非常に重要且つ関心が高い問題です。特に、食品添加物の使用や保管については、規定違反が発覚し処分が科された企業も少なくありません。このようなことを防ぐためにも、食品製造関連の日本企業は、政府の定める食品添加物に関する規定に留意することが非常に重要です。
11月11日、国家市場監督管理局は、「飲食サービス業者の食品添加物管理の更なる強化に関する公告(パブリックコメント案)」(以下、「公告」)を公表し、パブリックコメントを募集しました。 本公告は、多種にわたる食品添加物の使用について規格化しており、飲食サービスや食品製造に従事する事業者には大きな影響があると思われます。弊所では、以下に本公告の要点をまとめましたので、ご参考になれば幸いです。
1.食品添加物の調達について
『食品安全国家標準 飲食サービス通用衛生規範』(GB 31654-2021)の規定に基づき、企業には社内の食品添加物調達管理マニュアルの策定と実施が求められています。 そのほか、資格を所有するサプライヤーから食品添加物を購入する際は、サプライヤーの資格証明書の写しの確認・保管を忘れず行ってください。 (公告第2条)
2.食品添加物は、食品および食品関連商品と分けて保管
実務において、生産・加工の都合上、食品原料、半製品、食品添加物を一緒に保管する企業もあるかもしれませんが、これは規定違反になります。
公告の規定では、企業は「食品添加物」と表記をした食品添加物専用の保存場所を設け、食品および食品関連製品(食器、台所用品など)と分けて保管する必要があります。 (公告第3条)
3.食品添加物の使用について
企業は、『食品国家安全基準 食品添加物使用基準』(GB 2760-2014)に規定された食品添加物の使用原則、使用品種、使用範囲及び最大使用量・残留量に基づいて、食品添加物を使用してください。
また、『食品安全国家標準 食品添加物使用標準』(GB 2760-2014)で指定された品種以外の食品添加物を適度に使用する必要がある場合は、食品名、数量、加工時間、使用した食品添加物名、製造日またはバッチ番号、使用量、使用者などの情報を記録しなければなりません(公告第4条)
◆日本企業へのアドバイス
2022年2月以降、国家市場監督管理局は食品添加物、虚偽宣伝、違法広告などの多くの分野で取り締まりと検査を強化しました。これにより、多くの企業が行政処分や刑事責任を問われました。したがって、食品関連の日本企業には、本公告の公布・施行に引き続き留意し、食品添加物の調達・使用・保管等の面から社内のコンプライアンス管理を強化することをお勧めします。
また、所在地の市場監督部門が企業に対して定期検査または抜き打ち検査を行う際、生産・経営状況だけではなく、社内の食品添加物調達システム、食品添加物の使用・保管に関する記録資料なども調査される可能性があるため、食品添加物の現場での管理に関しては、社内の食品添加物管理体制、日常および週次・月次の検査記録表などを作成し、管理を徹底すると良いでしょう。
作成日:2022年12月16日