市場監督管理総局の2022年度立法計画
今年4月27日、国家市場監督管理総局から『国家市場監督管理総局2022年立法活動計画』(以下『立法計画』という)が公布されました。
国家市場監督管理総局では毎年定期的に年間立法計画を発表しており、これには市場監督管理に関する法制度の将来的な変化の動向がかなり明確に反映され、日系企業の生産経営及び社内コンプライアンス管理にも大きく影響するものとなるため、特に注目すべきものといえます。以下、今年度の市場監督管理総局による立法計画の内容についてご紹介いたしますので、ご参考ください。
◆ 主なポイント
1.日系企業に関係する主要立法項目
国家市場監督管理総局は、『立法計画』を優先順位により3類に分け、各分類に応じて各立法計画の進度に異なる要求を設けています。
(1)第1類立法項目
このグループには合計36件の立法項目が含まれ、起草を予定する法律、行政法規の審議用稿が5件、改訂を予定する部門規則が31件あります。
・関係する主な分野:独占禁止、食品の安全監督管理、医薬品の安全、知的財産権の保護、市場監督制度の規則等に関する分野
・関連法規:『不正競争防止法』、『製品品質法』、『経営者集中申告基準に関する国務院規定』、『価格違法行為行政処罰規定』、『薬品管理法実施条例』等
・立法計画のスケジュール
このグループの項目は優先順位が最も高く、審議用稿は2022年6月30日までに法制科の審査に提出したうえ、市場監督管理総局局務会審議への年内提出を目指します。
(2)第2類立法項目
このグループには合計33件の立法項目が含まれ、起草を予定する法律、行政法規の審議用稿が9件、改訂を予定する部門規則が24件あります。
日系企業で留意すべき法規には、『価格法』、『地理表示法』、『商標法』、『認証認可条例』、『商標法実施条例』等があります。このグループの立法項目は、2022年6月30以降に関連草案が起草されたうえで法制科の審査に提出される可能性があります。
(3)第3類立法項目
このグループの立法項目は、市場監督管理総局が全国人民代表大会常務委員会等の立法機関に協力して進めるものであり、主に『独占禁止法』、『企業情報公示暫定施行条例』、『消費者権益保護法』実施条例及び『特許法実施細則』等があります。
2.関連の立法についての企業や社会に対するパブリックコメント
立法過程において、市場監督管理総局はパブリックコメント、公聴会、論証会等の形式で社会一般や企業からの意見を聴取します。各日系企業では不正競争防止、食品安全等の市場監督管理関連の法規草案についてその起草機関に意見を提出することができます。詳しくは市場監督管理総局ウェブサイトの情報を参照ください。
◆日系企業へのアドバイス
当該立法計画は市場監督管理総局が独占禁止、食品安全、医療機械、知的財産権の保護、市場監督管理等の重点分野に関する立法の動向を反映するものとなります。これらの法律法規が制定又は改正されると、日系企業の経営活動に直接影響を及ぼすものとなるため、その動きに十分注目し、早めに相応の対策措置を講じ、手遅れとなる事態を回避するようお勧めいたします。
作成日:2022年06月08日