『外商投資安全審査弁法』の公布・施行
2020年12月19日、国家発展改革委員会及び商務部により公布された『外商投資安全審査弁法』(以下『弁法』という)が、1月18日より施行されます。
『弁法』は、外商投資安全審査の制度の実施細則として、外資系企業の中国における投資活動に直接影響するものとなるため、今回は『弁法』の関連ポイント及び留意点についてご紹介いたします。
◆ 『弁法』の関連ポイント
1.審査機関
発展改革委員会及び商務部が外商投資安全審査業務メカニズムを主導し、複数の政府機関がこれに参与し、弁公室は発展改革委員会に設置されます。
2.審査対象となる範囲
外資による投資活動が以下のいずれかに該当する場合は申告を受けることとなります。
① 軍事産業、軍事産業関連等の国防安全に関わる分野、ならびに軍事施設及び軍事産業施設の周辺地域における投資。
② 国家安全に関わる重要農産品、装備製造、インフラ、輸送サービス、文化製品・サービス、情報技術及びインターネット製品・サービス、技術ならびにその他の重要分野への投資であり、かつ投資先企業の実質的支配権を取得するもの。
※外資系企業は投資先企業の実質的支配権を取得しているかどうかにつき、「投資者が50%以上の持分を保有する」等の基準により判断できることとなっています。
3.申告しなかった場合の法的責任
申告項目が申告を行っていないと、期限内の申告を命じられ、申告を拒否して投資した場合、期限内に持分の処分及又は資産の譲渡を行うよう要求される可能性があります
◆ 日系企業への留意点
現時点では、外資による投資活動における「重要」な分野、技術等について明確な国の判断基準が示されているわけではなく、投資プロジェクトについて申告が必要かどうかに対し、審査機関が大きな自由裁量権を持っています。このため、外資系企業が機微分野への投資を行う前に、投資するプロジェクトについて安全申告が必要かどうか明確に確認しておくことが必要となり、中でも審査機関との事前相談が非常に重要となります。政府機関との交渉に豊富な経験を持つ弊所では、審査機関との交渉代行のご依頼随時お受けいたします。
作成日:2021年02月23日