電子印鑑運用のアドバイス
新型コロナウイルスの影響で、テレワークが注目されていますが、従来型の印鑑では運用に制限があり、それを使っての文書捺印等はテレワークでの操作ができないという問題があります。『民法典』、『電子署名法』等の関連法令の改正と整備に伴い、電子印鑑、電子契約書の導入メリットは日増しに顕在化しています。特にクロスボーダービジネスに従事する日系企業では、日本人高級管理職が中国国内に不在となっている状況でも、電子印鑑システムを利用することで日本に居ながら文書、契約の捺印ができれば、社印管理の不備等の問題を有効に回避することができます。
しかしながら、従来型の印鑑に偽造の問題が存在するのと同様に、電子印鑑にも捏造、改ざんのリスクはあり、専門家のサポートを受けて目的に適したリスク防止の措置を取ることが依然として大切になります。
・電子印鑑について基本的な知識を得たいときは
弁護士に相談し、企業の具体的状況やニーズを踏まえた、目的に合った電子印鑑の使用と管理について説明を受けるとよいでしょう。
・電子印鑑の安全性について疑問があるときは
実務において紛争が発生しやすいリスクポイントについて、経験のある弁護士から説明を受けるとともに、弁護士のサポートを受け、関連法令の公布・更新状況等を踏まえ、会社の印鑑に関する制度や手続きを適切に改善するとよいでしょう。
・電子印鑑に関わる紛争で対応に困っているときは
弁護士のサポートを受けて有効な証拠を残し、過去の判例、弁護士レター等の法的手段を十分に活用し、速やかな権利保護を図るようにします。
作成日:2020年08月28日