WeChatでの誤送金を解決する方法
[概要]
WeChat Payが普及し、簡単なタップ操作で即支払いが完了できるようになったが、ときに誤って支払いをしてしまうこともある。このような場合も慌てる必要はなく、誤って決済した金額の取り返しにはいくつかの方法があり、それらには法的根拠もある。
[事例]
今年の3月中旬、杭州市桐盧県の呉氏はWeChat Payを使って借りていたお金を返そうとしていた際、相手をよく確認せずに誤って送金してしまいました。呉氏が気づいて再度相手に連絡したときには、すでに相手の操作により、連絡がつかなくなっていました。呉氏は方法を尽くして相手を探し出し、誤って送った金を返してほしいと言いましたが、相手はそのような送金を受けた事実を認めませんでした。結局、呉氏は裁判所に訴えを起こし、裁判所よりテンセントに連絡して決済記録が回復され、ようやくその金を取り戻すことができました。
[アドバイス]
上記の事例から言えることは、WeChat Payで誤って送金してしまった場合にも慌てる必要はなく、関連の証拠を保管しておき、法律規定により、不当利得として相手方に返金を要求することができるということです。
日系企業の駐在員は、WeChat Payで誤って送金してしまった場合、次のような対応措置を取ることができます。
(1)自分の送金記録を保存しておき、相手に返金してもらうよう交渉する。
(2)WeChatの送金記録を保存しておき、テンセントに連絡し、サポートを依頼する。
(3)WeChat内のミニプログラム「テンセント通報受付センター」から通報を行う。
(4)上記の方法のいずれの方法でもお金が戻って来ない場合は、送金記録を保存しておき、テンセントに依頼しシステムから相手の身分情報を調べてもらったうえ、裁判所に訴えを提起し相手方に不当利得の返還を要求することができる。
このほかにも、日系企業の駐在員には、以下の点も覚えておいていただくとよいかと思います。
(1)スマートフォン端末の送金記録を誤って自分で消してしまったら、テンセントに連絡してシステムからデータを回復してもらうことができる。
(2)不当利得の管轄裁判所は被告所在地の裁判所となることから、被告の戸籍所在地或いは常住地において訴訟を行う必要がある。
もっとも、WeChat Payでの操作を行う以前に、WeChat上の決済管理設定から、送金が相手先に着金する時間までのを長めに設定しておくことで、万一送金を誤っても、相手が受け取る前にテンセント・カスタマーサービスに連絡すれば、送金を取り消すことができます。
作成日:2019年08月06日