「外資三法」から『外商投資法』へ、2019年の外資環境はどうなるか
3月5日午前、第13期全国人民代表大会第二次会議が人民大会堂で開催され、国務院総理李克強が国務院を代表し、大会に向け政府活動報告を行いました。
報告では、市場参入のさらなる拡大、より多くの分野での外資独資による経営実行を認めること、国際的に通用している経済・貿易ルールへの適応、政策の透明性向上及び執行との整合、外資系・国内資本企業に対する同一待遇や、公平な競争が行われる公正な市場環境の実現に言及されています。大会で審議が行われることになっている『外商投資法』草案は、外国メディアにも高く注目される議題の一つとなっています。
『外商投資法』の新時代において、外資の中国市場参入が拡大
今年の大会の目玉となっているのが、審議に提出されている『外商投資法』の草案です。『外商投資法』の制定により、外資による投資の法制度を刷新し、これをもって「外資三法」、すなわち『中外合弁経営企業法』、『外資企業法』、『中外合作経営企業法』に替え、新時代の外資利用の基本的法律としていくことになります。
李克強国務院総理は大会で、中国は政策の透明性を向上し、執行との整合を図り、外資系・国内資本企業に対する同一待遇や、公平な競争が行われる公正な市場環境の実現していくと述べました。これは中国の投資環境は今後ますます改善し、各国の企業にとり中国での発展のチャンスが次第に多くなることを意味します。
また、大会で発言した張業遂氏によると、この動きは中国の外商投資管理体制に対する抜本的改革であり、全面開放の新情勢を形成してゆくためのより有力な法治保障となるものです。今回の法案は、「ネガティブリスト」に含まれる業種を除き、外国投資者が大部分の業界において中国企業と同等の待遇を享受できることを確保するものとなります。この注目され、長く期待を集めてきた法案は、外国投資者にとっての「抜本的変化」をもたらし、外国企業との問題の解決に有益となります。
国家発展改革委員会の寧吉喆副主任が記者会見上で発言した中で、審議される『外商投資法』草案は、国が法により外国投資者及び外商投資企業の知的財産権を保護し、行政手段により技術移転を強制してはならないことに触れており、このことは外商投資の権益にとりより全面的かつ有力な法治保障を提供するものとなります。関連の制度は実践に基づいて随時修正・改善されていく必要があり、対中投資に対し、より開放的で利便性の高いビジネスと発展の刊行を提供するものとなるでしょう。
『外商投資法』草案には、中国の対外開放への堅い決心が示されています。当該草案においては追加的な障壁は設けられておらず、外国投資者に対する中国経済開放の「サイン」であり、さらなる進展が期待されます。
作成日:2019年03月11日