裁判所とWeChatの連携で逃げ場がなくなる「老頼」
【概要】
裁判所はWeChatと手を取り、信用の失墜した被執行人が所在する地理的位置や社会的属性によって特定エリアや周辺ユーザを絞込み、信用の失墜した被執行人であることをばらす情報が、家族、友人、顧客等のWeChatのモーメンツに直接配信されるようになる。
インターネットSNSソフトの普及が進むにつれ、人々の日常生活や付き合いの場にWeChat等のツールがますます介入して影響を与える中、裁判所による「老頼(債権踏み倒しの常習犯)」退治の取り締まりが不断に強化され、懲戒措置のグレードアップも進んでいます。航空機、高速列車の利用からクレジットカードの発行申込み、金融貸付、役職担当に制限を受け、さらには子女の入学に至るまで影響が及ぶようになっています。現在では、その影響がWeChatでのチャットにまで及ぶようになり、最近では広東省の英徳市裁判所が、債務を弁済しなかった信用失墜被執行人の情報を全市20万人のWeChatのモーメンツに配信しました。また、浙江省温州市の瓯海区裁判所からも、執行情報が信用の失墜した被執行人の周辺ユーザに配信されるもようです。
近年、中国では網羅的で盲点のない社会信用システムを張りめぐらせる計画が徐々に進められており、このシステムによって政府機関、金融機関、インターネット情報プラットフォーム等の各システムが担う膨大なビッグデータの情報が融合され、社会全体の情報共有の場が築かれつつあります。新たなビッグデータ情報時代が到来する中、信用失墜のコストがますます上昇し、一度信用を失えば、各方面からの制裁を受けて身動きがとれなくなることは必至となるでしょう。
作成日:2018年11月14日