中国の外資系銀行が取り扱い可能な業務が大幅に拡大、国債受託販売業務が許可不要に
近日、銀行業監督管理委員会は、『外資系銀行の一部業務実施に関する事項の通知』を公布し、中国で業務を行っている外資系の銀行が、国債の受託販売業務、財務顧問業務、大部分の信託管理業務を行うにあたり、同委員会に行政許可を取る手続を不要とし、今後は事後報告制度とすることを明確に示した。
銀行業監督管理委員会の担当者によると、「一带一路」(海のシルクロード・陸のシルクロード)の国家戦略が実施されている中、中国資本企業は海外進出の動きを加速しており、海外での上場、債券発行、投資、M&A及び国内外の資源整理・再編等において、行き届いた専門性の高い金融サービスのニーズが高まりつつあるとのことである。グローバルネットワーク、サービス項目の豊富さ、現地市場への理解と経験の蓄積等において、中国系銀行にくらべ外資系銀行には一定のアドバンテージがあるという。
この通知により、中国の外資系銀行が親銀行グループとの内部業務提携を行うことができ、(海外進出企業が国外での債券発行、上場、M&A、融資等の活動を行うための総合金融サービスを提供し、グローバル総合サービス提供者としての外資系銀行のアドバンテージを発揮できるということが明確になった。
今回の通知により、中国の外資系銀行も法に従い国内の銀行・金融機関に投資することができるとされた。
また通知では、中国の外資系銀行が前述の業務を行うにあたっては、コンプライアンスとリスクの管理を強化しなければならないことも求めている。
2016年12月末時点で、外資系銀行が中国に設立した機関の数は、法人機関(これらの下に315の支店がある)39社、親銀行に直属する支店が121箇所、駐在員事務所は166箇所に登っている。機関数には増加傾向が続いており、営利機関の総数は1,031に達し、中国の70都市に分布している。
(法制日報より)
作成日:2017年05月09日