最新法律動向

『中華人民共和国環境保護税法』について

今回は、2016年12月25日に公布され、2018年1月1日から施行される『中華人民共和国環境保護税法』の主な内容を皆様に、ご説明いたします。

 ◇この法律が立法された背景

汚染物質排出費が徴収されるようになってから長い月日が経っていますが、徴収の過程では取締りが充分ではなく、地方政府と政府機関が干渉する等の問題が存在していました。このため国は環境保護費を税金に改正する必要があるとして、2014年に改訂された『中華人民共和国環境保護法』の中に「法律の規定に基づいて環境保護税を徴収する場合、汚染物質排出費を徴収しない。」という伏線を設けました。

 ◇費用を税金に変更する上での原則

・元々汚染物質排出費を納めていた者を、環境保護税の納税者とします。

・現行の汚染物質排出費用項目に基づき、環境保護税の税目を設定します。

・現行の汚染物質排出費の計算方法に基づいて、環境保護税の計算根拠を設定します。

・現行の汚染物質排出費徴収基準をもとに、環境保護税の税額基準を設定します。

◇主な内容

納税対象者:自然環境へ課税対象となる汚染物質を排出する企業・事業者及びその他の生産経営者。

課税対象の汚染物質:大気汚染物質、水質汚染物質、固形廃棄物、騒音。

どのようなケースは直接、自然環境へ汚染物質を排出してはいないと見なされ、汚染物質にかかる環境保護税の課税対象とならないのか

·企業・事業者及びその他の生産経営者が法に基づいて設立された汚水集中処理施設、生活ごみ集中処理場所へ課税対象となる汚染物質を排出している場合

·企業・事業者及びその他の生産経営者が国及び地方の環境保護基準に適合する設施、場所で固形廃棄物を保存するか、処理している場合

どのようなケースは環境保護税の課税が軽減されるか:納税者が排出する課税対象の大気汚染物質又は水質汚染物質の濃度が国及び地方の定める汚染物排出基準を30%下回る場合、環境保護税を25%減免する。納税者が排出する課税対象の大気汚染物質又は水質汚染物質の濃度が国及び地方の定める汚染物質の排出基準を50%下回る場合、環境保護税を50%減免する。

 青島市人民政府は。税務機関、環境保護所管機関、その他の関連機関と職務分掌・職務提携システムを作成し、環境保護税の徴収管理を強化することになりました。環境保護税法が施行されてからは、環境保護税は、税務機関が徴収管理し、環境保護所管機関は、汚染物質の監督測定管理の責任を負うことになります。これと同時に、環境境保護税法と環境保護法を有効に連携させ、納税者は納税義務を履行するだけでなく、法に基づいて自然環境に与えた損害に責任を負うこととなりました。

環境保護税の課税を防ぐため、関連する企業の皆様は、法に基づいて汚水集中処理施設、生活ごみ集中処理場所を設置して課税対象となる汚染物質を排出すること、基準に適合する施設、場所で固形廃棄物を保存するか、処理する事を、お勧めいたします。このほか、企業は、法律の別紙である環境保護税税目税額表及び課税汚染物及び当量値表を参照して課税に関する規定を把握し、環境保護税法の施行される前に汚染物質排出濃度を低下させる措置を講じ、汚染物質の排出を減少させることを、お勧めいたします。

作成日:2017年01月16日