「5証明書の一本化」政策について
7月5日、国務院弁公庁は、昨年10月1日より「3証明書の一本化」改革を実施して以来、再度商事制度の改革を行うことを公布・通知しました。これを受け、7月28日、工商総局等の五政府機関は、当該改革徹底の通知を公布しました。そして、2016年10月1日から「5証明書の一本化」が正式に実施される運びになりました。今回は、皆様へ「5証明書の一本化」政策の主な内容を説明について簡単に説明いたします。
1.「5証明書の一本化」とは何か
昨年10月1日より、中国各地で工商営業許可証、組織機構コード証、税務登記証の「3証明書の一本化」登記制度改革が全面的に実施されています。「5証明書の一本化」とは、これをもとに、更に社会保険登記証と統計登記証を統合し、工商行政管理機関が審査を行い、法人及びその他の組織統一社会信用コード(以下「統一コード」という。)を加えた営業許可証を交付し、社会保険登記証と統計登記証は、今後は別途交付しない扱いとするものです。
2.どのように「5証明書の一本化」の手続を行うのか
今後、新たに設立された会社が企業登記登録を行う場合には、「一つの窓口」に「1セットの書類」を提出するだけで済むようになります。登記機関は、直接統一社会信用コードが加えられた営業許可証を交付し、会社はこれと別途に組織機構コード証、税務登記証、社会保険登記証、統計登記証の手続を行う必要はなくなりました。
既存の「3証明書の一本化」手続を行った会社の場合には、改めて「5証明書の一本化」登記手続きを行い必要はありません。登記機関から、登記関連情報を社会保険取扱機関、統計機関等へ送付します。会社は、既に手続した「3証明書を一本化」された営業許可証を所持していれば結構です。
既存の「3証明書の一本化」手続を行っていない会社の場合には、原証明書の有効期間が満了し、登記の変更を申請するか、営業許可証の交付を申請する際に、まとめて登記機関へ「5証明書の一本化」を申請すれば、登記機関より統一社会信用コードの加えられた営業許可証が交付されます。
3.「5証明書の一本化」後の影響について
2016年10月1日から2018年1月1日迄は、「5証明書の一本化」実施の過渡期とされます。この過渡期においては、原証明書も引き続き有効とされますが、過渡期終了後は、統一コードの加えられた営業許可証を一律で使用するものとし、交換していない証明書は失効します。
(1)昨年施行された「3証明書の一本化」政策に比べて、今回の政策では、手続の面から更に会社の負担を軽減するように調整されています。「5証明書の一本化」を行った会社は、時間や精力を費やして社会保険登記証と統計登記証の定期的な検査や交換が不要となります。
(2)社会保険登記証と統計登記証について、元々検査や交換を要請されていた会社は、報告する事項を整理した後、企業年度報告書の内容が統合され、会社から工商機関へ年度報告書を送付し、社会へ公示されることとなります。この措置により中国企業の信用情報公示システムが更に完備されることになります。各政府機関間での情報共有と連動し、今後政府機関が取り締まりを強化する上での根拠が提供されます。
(3)改革後、元々社会保険登記証と統計登記証を使用して関連業務の手続を要請されていた会社は、今後一律営業許可証を使用することに変更されます。現段階では未だ「5証明書の一本化」登記モデルと齟齬を生じる法律、行政法規、規則制度、制度性文書が存在するため、こうした齟齬が生じる書類を若干の時間を費やして改訂し、整備する必要があります。したがいまして、政策施行当初には、「5証明書の一本化」により新たな営業許可証の交付を受けた会社がその他の登記手続をする場合、登記機関から従来の法令の規定を根拠に、新たな営業許可証を認められないという状況が発生する可能性があります。この場合、関連する政府機関と積極的に意思疎通を図る必要があります。
各企業におかれましては、政府機関からの要請と、会社自身の実情を踏まえ、2018年1月1日迄に「5証明書の一本化」手続を済ませ、「5証明書の一本化」手続を行わないことで営業許可証が失効し、会社のその他の登記事項の手続の進捗に影響が及ぶことを避けることを、お勧めいたします。また、会社も適時各政府機関が要請する年度報告書を送付し、会社の信用に不良な記録が残ることを避けるようにいたしましょう。
作成日:2016年08月09日